この記事の対象: ホームページ制作・リニューアルに補助金を活用したい中小企業の経営者・Web担当者
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「ホームページのリニューアルに200万円かかると言われたけど、予算が足りない」——そんなとき検討したいのが国や自治体の補助金です。
2026年度はIT導入補助金、小規模事業者持続化補助金、事業再構築補助金など、Web制作に使える補助金が複数あります。うまく活用すれば、リニューアル費用の50〜75%をカバーできる可能性があります。
ただし補助金には「知らないと損する落とし穴」が多い。「採択されてから契約・発注する」という順番を間違えただけで対象外になるケースは毎年発生しています。
この記事では、2026年にWeb制作で使える主要な補助金3つの概要、対象企業、補助率、申請の流れ、採択されるコツまでをまとめます。
2026年にWeb制作で使える補助金一覧
| 補助金名 | 補助率 | 上限額 | 対象 | 申請難易度 |
|---|---|---|---|---|
| IT導入補助金 | 1/2〜3/4 | 最大450万円 | 中小企業・小規模事業者 | ★★★☆☆ |
| 小規模事業者持続化補助金 | 2/3 | 最大200万円 | 従業員20名以下 | ★★☆☆☆ |
| 各自治体のDX支援補助金 | 1/2〜2/3 | 自治体により異なる | 自治体内の中小企業 | ★☆☆☆☆〜★★★☆☆ |
以下、それぞれの詳細を解説します。
IT導入補助金(2026年度)
Web制作で最もメジャーな補助金です。ITツールの導入を支援する制度で、ホームページ制作・ECサイト構築も対象に含まれます。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 管轄 | 経済産業省 / 中小企業庁 |
| 補助率 | 1/2〜3/4(枠により異なる) |
| 補助額 | 5万円〜450万円 |
| 対象経費 | ソフトウェア費、クラウド利用料、導入関連費、ハードウェア購入費 |
| 申請方法 | 電子申請(GビズIDプライムが必要) |
Web制作で使える枠
2026年度のIT導入補助金には複数の申請枠があり、Web制作に関連するのは主に以下の2枠です。
通常枠(A類型・B類型)
– 補助率: 1/2
– 補助額: A類型 5万〜150万円未満 / B類型 150万〜450万円
– ホームページにCMS導入、顧客管理(CRM)連携、予約システム導入などが対象
インボイス枠(電子取引類型)
– 補助率: 2/3〜3/4(小規模事業者は3/4)
– 補助額: 〜350万円
– ECサイト構築、受発注システム導入が主な対象
注意: 単純なホームページ制作(情報掲載のみ)は対象外になることがあります。「ITツールの導入」が前提のため、CMS、予約システム、EC機能などのソフトウェア要素を含む必要があります。
申請の流れ
- GビズIDプライムの取得(2〜3週間かかるため早めに申請)
- IT導入支援事業者の選定(制作会社がIT導入支援事業者に登録している必要あり)
- 事業計画の作成(自社の課題とIT導入による解決策を記載)
- 交付申請(電子申請)
- 採択通知
- 制作会社と契約・事業実施(★ここから発注OK)
- 事業実績報告
- 補助金交付
最重要ポイント: 手順6の通り、採択通知が届いてから制作会社と契約します。先に契約すると補助金の対象外になります。
IT導入補助金の申請手順と採択のコツは「IT導入補助金の申請方法と採択のコツ」で詳しく解説しています。
小規模事業者持続化補助金
従業員20名以下の小規模事業者に特化した補助金です。IT導入補助金より対象が広く、ホームページ制作費が直接的に対象になるのが特徴です。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 管轄 | 日本商工会議所 / 全国商工会連合会 |
| 補助率 | 2/3 |
| 補助額 | 最大50万円(通常枠)/ 最大200万円(特別枠) |
| 対象経費 | ウェブサイト関連費、広報費、機械装置等購入費など |
| 条件 | 商工会議所・商工会の支援を受けること |
Web制作での活用ポイント
- 通常枠(上限50万円): 75万円のホームページ制作なら、50万円が補助され自己負担は25万円
- 特別枠(上限200万円): 賃金引上げ枠、卒業枠、後継者支援枠など条件を満たすと上限が拡大
注意: ウェブサイト関連費のみでの申請はできません。チラシ作成(広報費)やITツール導入と組み合わせた申請が必要です。
申請のコツ
- 事業計画書が最重要。「なぜホームページが必要なのか」「どんな売上効果が見込めるのか」を具体的に記載
- 商工会議所の窓口に早めに相談。事業計画書のブラッシュアップを無料でサポートしてもらえる
- 加点項目を確認。パワーアップ型(地域経済の活性化に資する)、災害加点などに該当すれば採択率UP
各自治体のDX支援補助金
見落とされがちですが、都道府県や市区町村が独自に実施するDX・デジタル化支援の補助金もあります。
代表的な例(2026年度)
| 自治体 | 補助金名 | 補助率 | 上限額 |
|---|---|---|---|
| 東京都 | 中小企業DX推進支援事業 | 1/2 | 100万円 |
| 大阪府 | 中小企業デジタル化促進補助金 | 1/2 | 100万円 |
| 福岡市 | DXチャレンジ補助金 | 2/3 | 50万円 |
| 横浜市 | 小規模事業者デジタル化支援 | 2/3 | 30万円 |
メリット: 国の補助金と比べて申請手続きがシンプルで、審査期間も短い傾向があります。
デメリット: 予算が限られており、募集期間が短い。先着順の場合もあるため、自治体のWebサイトをこまめにチェックする必要があります。
自治体の補助金は国の補助金と併用できないケースが多い点に注意してください。併用可否は各自治体の募集要項で確認が必要です。
補助金申請の3つの落とし穴
補助金の申請で「知らなかった」では済まない失敗パターンを3つ紹介します。
1. 契約・発注のタイミング
最も多い失敗がこれ。補助金は原則として採択決定後に発注・契約する必要があります。「制作会社はもう決めてあるから、先に契約しておこう」は絶対にNG。採択前の経費は補助対象外です。
2. 対象外の経費
以下の費用は多くの補助金で対象外です。
– ドメイン取得費・サーバー利用料(ランニングコスト扱い)
– 広告出稿費(リスティング広告など)
– 社内人件費
3. 実績報告の漏れ
補助金は「もらって終わり」ではありません。事業完了後に実績報告書と経費の証拠書類(請求書、振込明細、成果物のスクリーンショットなど)の提出が求められます。書類に不備があると補助金が減額・取消しになることも。
補助金で制作費を抑えた成功パターン
実際に補助金を活用してリニューアルを実現した想定シナリオを紹介します。
ケース: 従業員15名の製造業(中部地方)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| リニューアル目的 | 問い合わせ獲得の強化 |
| 制作費総額 | 180万円 |
| 利用補助金 | IT導入補助金(通常枠A類型・補助率1/2) |
| 補助額 | 90万円 |
| 自己負担 | 90万円 |
| 制作内容 | WordPress CMS構築、問い合わせフォーム、ブログ機能、SEO基本設定 |
ポイント: CMSとフォームという「ITツール」要素を含めることで、IT導入補助金の要件を満たしました。
費用相場の詳しい情報は「ホームページリニューアルの費用相場」も参考にしてください。リニューアル全体の進め方は「WEBサイトリニューアルの進め方完全ガイド」で解説しています。
まとめ
2026年にWeb制作で使える主要な補助金を整理しました。
| 補助金 | こんな企業に向いている |
|---|---|
| IT導入補助金 | CMS・EC・予約システムなどITツールを導入する中小企業 |
| 持続化補助金 | 従業員20名以下の小規模事業者。チラシ等と合わせて申請 |
| 自治体DX補助金 | 手続きを簡単に済ませたい。小規模な制作 |
最も重要なのは「採択前に契約・発注しない」こと。申請スケジュールを確認し、リニューアルの計画と補助金の申請時期を合わせて進めましょう。
制作会社選びの際は「IT導入支援事業者に登録しているか」を確認するのもポイントです。
