この記事の対象: 自社サイトのリニューアルを検討している企業のWeb担当者・経営者
読了時間: 約8分
「ホームページをリニューアルしたいけど、いくらかかるの?」——上司からリニューアルを任された担当者が最初にぶつかる壁がこの「費用」の問題です。
制作会社に問い合わせると「要件次第ですね」と返されることがほとんど。でも、予算の目安がわからなければ社内稟議も通せません。
この記事では、Web制作ディレクターとして多くのリニューアル案件に関わってきた経験をもとに、規模別の費用相場、費用を左右する5つの要因、追加費用が発生するパターンまで、すべて具体的な金額付きで解説します。記事を読み終えたときには、「うちのリニューアルはだいたい○○万円くらいだな」と社内で説明できる状態になっているはずです。
リニューアル費用の相場【規模別】
まずは結論から。リニューアル費用の相場を規模別に一覧にまとめました。
| 規模 | ページ数 | 費用相場 | 制作期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 小規模 | 5〜10P | 30〜80万円 | 1〜2ヶ月 |
| 中規模 | 10〜30P | 80〜200万円 | 2〜4ヶ月 |
| 大規模 | 30P〜 | 200〜500万円+ | 3〜6ヶ月 |
ただし、これはあくまでテンプレートベースの一般的な相場です。オリジナルデザインやCMS構築が入ると、それぞれ上限に近づく傾向があります。以下、規模ごとに詳しく見ていきましょう。
小規模(5〜10ページ): 30〜80万円
個人事業主や小規模企業のコーポレートサイトに多いパターンです。
- 30〜50万円: テンプレートをベースにしたシンプルなリニューアル。WordPressの既成テーマをカスタマイズし、トップ・会社概要・サービス・お知らせ・問い合わせの5ページ構成
- 50〜80万円: オリジナルデザインでの制作。ブランドイメージを反映したデザイン、スマホ最適化、基本的なSEO設定込み
たとえばSoreiine!!ギャラリーに掲載されているシンプルなコーポレートサイトの多くは、この価格帯で制作されています。「デザインにこだわりたいけど予算は限られている」という場合、50〜60万円が現実的なラインです。
中規模(10〜30ページ): 80〜200万円
中小企業のコーポレートサイトやサービスサイトのリニューアルで最も多い価格帯です。
- 80〜120万円: WordPressなどCMS導入込み。カスタムデザイン + ブログ機能 + 問い合わせフォーム。コンテンツ(原稿・写真)は自社用意
- 120〜200万円: 上記に加え、撮影・ライティングを制作会社に依頼。サービスページの充実、ランディングページ的な導線設計込み
Soreiine!!ギャラリーのデザインにこだわったコーポレートサイトで紹介しているサイトのうち、中小企業の事例はおおむねこの帯に収まっています。
注意点: この価格帯では「コンテンツを自社で用意するか、制作会社に任せるか」で30〜50万円の差が出ます。原稿を自社で書けるなら、そのぶんを設計やデザインの品質向上に回すのが賢い選択です。
大規模(30ページ以上): 200〜500万円+
上場企業やBtoB企業のコーポレートサイト、採用サイト併設型、多言語対応が必要なケースが該当します。
- 200〜350万円: 30〜50ページ規模。戦略設計、ワイヤーフレーム、オリジナルデザイン、CMS構築、アクセス解析設定のフルパッケージ
- 350〜500万円+: 50ページ超、または高度な機能要件あり。予約システム連携、会員ログイン機能、EC機能の一部統合、多言語対応など
500万円を超えるケースは、システム開発要素が含まれる場合です。単なるサイトリニューアルではなく「Webシステム構築」の領域に入ってくるため、制作会社ではなくシステム開発会社との分業体制になることも。
費用全般の相場をもっと詳しく知りたい方は「WEB制作の費用相場まとめ」もあわせてご覧ください。サイトの種類別(EC、LP、採用サイトなど)の相場も整理しています。
費用が変動する5つの要因
「同じ10ページのサイトなのに、A社は80万円、B社は180万円」——こんな見積もりの差に戸惑ったことはありませんか? リニューアル費用に差が出るのは、以下の5つの要因が組み合わさるからです。
1. デザインのオリジナル度
費用への影響度: ★★★★☆
| デザイン方式 | 費用目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| テンプレート利用 | 基本料金内 | 既製テーマをカスタマイズ。早い・安い |
| セミオーダー | +10〜30万円 | テンプレートをベースにオリジナル要素を追加 |
| フルオーダー | +30〜80万円 | ゼロからデザイン。ブランド表現に最適 |
「他社と被らないデザインにしたい」という要望は当然ですが、フルオーダーにする箇所をトップページと主要ページに絞るだけで、フルオーダーの半額以下に抑えられるケースもあります。
2. CMS導入の有無
費用への影響度: ★★★★★
CMSを導入すると、制作費に20〜80万円がプラスされます。ただし、リニューアル後の運用コスト削減を考えると、ほとんどのケースでCMS導入は必須です。
- WordPress(無料CMS): 構築費20〜50万円。プラグインで機能拡張しやすく、最も普及
- Movable Type / PowerCMS: 構築費50〜80万円。セキュリティ重視の企業に人気
- ヘッドレスCMS(microCMS等): 構築費40〜100万円。表示速度に優れるが、対応できる制作会社が限られる
3. レスポンシブ対応
費用への影響度: ★★★☆☆
2026年の時点では、レスポンシブ対応は標準仕様です。ほとんどの制作会社がレスポンシブ込みの価格で提示してきます。ただし「PC版とスマホ版で全く異なるレイアウトにしたい」場合や、タブレット専用デザイン、PWA(アプリのような操作感を実現する技術)対応が必要な場合は、追加で10〜40万円かかることがあります。
4. コンテンツ制作の範囲
費用への影響度: ★★★★★
リニューアル費用の見積もりで最も見落とされがちなのが、この項目です。
| コンテンツ | 自社で用意 | 制作会社に依頼 |
|---|---|---|
| 原稿(テキスト) | 0円 | 1ページ3〜8万円 |
| 写真撮影 | 0円(既存素材利用) | 5〜20万円/日 |
| 動画(トップページ用) | — | 30〜100万円 |
| イラスト・図解 | — | 1点5,000〜3万円 |
10ページの原稿をすべて制作会社に依頼すると、それだけで30〜80万円のコストが上乗せされます。「デザインだけお願いして原稿は自分で書く」と思っていても、実際にやってみると想像以上に大変で、結局制作会社に追加発注する……というのは非常によくあるパターンです。
5. SEO対策の有無
費用への影響度: ★★★☆☆
リニューアル時のSEO対応には段階があります。
- 基本SEO(標準込み): titleタグ・meta description設定、見出し構造の最適化、サイトマップ生成
- 中級SEO(+10〜30万円): 既存ページの301リダイレクト設計、内部リンク最適化、Core Web Vitals改善
- 本格SEO(+30〜100万円): キーワード調査、コンテンツ設計、構造化データ実装、GA4/Search Console連携
リニューアルでURLが変わる場合、リダイレクト設計を怠ると検索順位が急落するリスクがあります。「リニューアルしたら検索からの流入が半分になった」という失敗談を制作現場では何度も耳にしています。中級SEOまでは標準で対応してくれる制作会社を選ぶのがおすすめです。
追加費用が発生しやすい3つのポイント
見積もり時点では想定していなかった追加費用が発生し、最終的な支払額が1.5倍になる——制作業界では珍しくない話です。以下の3点は特に注意してください。
1. 修正回数の超過
多くの制作会社は「デザイン修正2〜3回まで」という条件を契約に盛り込んでいます。修正のたびに社内の複数部署から異なる意見が出て、修正回数が膨らむケースは非常に多い。1回の修正につき1〜3万円の追加費用がかかります。
対策: 社内で意見をまとめてからフィードバックする。レビュー担当者は最大2〜3名に絞る。
2. ページ追加・機能追加
「最初は10ページの予定だったけど、やっぱり事例ページも追加したい」——プロジェクトの途中で要件が膨らむのは定番のトラブルです。
対策: 最初の見積もりの段階で「追加ページの単価」「追加機能の概算」を確認しておく。
3. サーバー移転・ドメイン変更
リニューアルに合わせてサーバーやドメインを変更する場合、移転作業に5〜15万円、メールアドレスの再設定やDNS切り替えに別途費用がかかることも。
追加費用が発生するパターンをもっと詳しく知りたい方は「追加費用が発生するケースと防ぎ方」で具体的な予防策を解説しています。
リニューアル費用を抑える5つの方法
「リニューアルしたいけど予算が厳しい」という場合に、品質を下げずにコストを抑えるテクニックを5つご紹介します。
1. テンプレート + カスタマイズで制作する
フルオーダーデザインではなく、高品質なテンプレートをベースにカスタマイズする方式。これだけで制作費を30〜50%カットできます。2026年のWordPressテーマは完成度が非常に高く、テンプレートベースでも十分にプロフェッショナルな仕上がりが可能です。
2. コンテンツ(原稿・写真)は自社で用意する
コンテンツ制作費は全体の20〜40%を占めることも。社内にライティングができる人材がいるなら、原稿を自社で準備するだけで大幅なコスト削減になります。
3. フェーズ分けして段階的に投資する
すべてを一度にリニューアルするのではなく、フェーズを分ける方法です。
– Phase 1(優先): トップページ + 主要サービスページ
– Phase 2(3ヶ月後): ブログ・事例ページ
– Phase 3(半年後): 多言語対応・追加機能
初期投資を抑えつつ、Phase 1の成果を確認してから次に進められるメリットもあります。
4. 3社以上の相見積もりを取る
同じ要件でも制作会社によって2〜3倍の価格差が出るのがこの業界の特徴です。最低3社から見積もりを取り、項目ごとに金額を比較することで、適正価格が見えてきます。
リニューアルの全体的な進め方は「WEBサイトリニューアルの進め方完全ガイド」で10ステップにまとめています。
5. 補助金を活用する
次のセクションで詳しく解説しますが、国や自治体の補助金を活用すれば、リニューアル費用の最大75%をカバーできます。
補助金でリニューアル費用を最大75%カット
ホームページのリニューアルに使える補助金は、2026年時点で主に3つあります。
| 補助金名 | 補助率 | 上限額 | 申請難易度 |
|---|---|---|---|
| IT導入補助金 | 1/2〜3/4 | 最大450万円 | ★★★☆☆ |
| 小規模事業者持続化補助金 | 2/3 | 最大200万円 | ★★☆☆☆ |
| 各自治体のDX支援補助金(例: 東京都中小企業DX推進支援事業) | 1/2〜2/3 | 自治体により異なる(50〜300万円程度) | ★☆☆☆☆〜★★★☆☆ |
たとえば200万円のリニューアルにIT導入補助金(補助率3/4)が採択されれば、自己負担はわずか50万円で済みます。
ただし注意点があります。補助金は「採択後に制作を開始する」のが原則です。先に制作会社と契約してから補助金を申請しても対象外になるケースがほとんど。申請スケジュールを見ながら計画的に進める必要があります。
補助金の詳細や申請方法は以下の記事で解説しています。
– 「Web制作で使える補助金まとめ【2026年版】」
– 「IT導入補助金の申請方法と採択のコツ」
まとめ
ホームページリニューアルの費用相場を規模別に整理しました。
- 小規模(5〜10P): 30〜80万円
- 中規模(10〜30P): 80〜200万円
- 大規模(30P〜): 200〜500万円+
費用は「デザインのオリジナル度」「CMS導入」「コンテンツ制作の範囲」で大きく変動します。見積もりを比較する際は、金額だけでなく「何が含まれていて、何が含まれていないか」を項目単位で確認することが最も重要です。
補助金を活用すれば自己負担を大幅に抑えられるので、リニューアルの計画段階で申請スケジュールを確認しておくことをおすすめします。
