デザイン

Apple流「リキッドグラス」デザインの特徴と実装のヒント【2026年】

この記事の対象: リキッドグラスデザインに興味があるWebデザイナー・UIデザイナー
読了時間: 約6分

2025年のWWDCでAppleが発表したiOS 26(旧iOS 19)で採用されたリキッドグラス(Liquid Glass)デザイン。透明感と液体的な動きを組み合わせた新しいデザイン言語は、UIデザインのトレンドに大きな影響を与えています。

この記事では、リキッドグラスの特徴をWebデザインの視点から解説し、実装アプローチと注意点をまとめます。


リキッドグラスとは

リキッドグラスは、AppleがiOS 26で導入した新しいデザイン言語です。従来のグラスモーフィズム(半透明+ぼかし)をさらに進化させ、ガラスの反射・屈折を物理的にシミュレートした表現が特徴です。

リキッドグラスの3つの要素:
1. 透明感: 背景が透けて見えるガラスのような質感
2. 液体的な動き: タップやスワイプに応じて液体のように変形するUI
3. 物理的な反射: 光源の位置に応じて反射がリアルタイムに変化

Appleのタブバー、ナビゲーションバー、通知パネルなど、iOS全体のUI要素にこのデザインが適用されています。


グラスモーフィズムとの違い

リキッドグラスは、グラスモーフィズムの「進化形」と位置づけられますが、明確な違いがあります。

比較項目 グラスモーフィズム リキッドグラス
背景処理 静的なぼかし+半透明 動的なぼかし+屈折
反射 なし、または固定 光源に連動したリアルタイム反射
動き 静的 液体的な変形アニメーション
質感 曇りガラス 透明な液体ガラス
奥行き 2層(背景+前景) 多層(背景+中間層+前景)
実装難度 低〜中

グラスモーフィズムの基本実装については「グラスモーフィズムをCSSで実装する方法」で解説しています。


リキッドグラスが注目される背景

Appleエコシステムの影響力

iPhoneの世界シェアは約28%(日本では約65%)。Appleが新しいデザイン言語を採用すると、数億人のユーザーがその視覚体験に慣れることになります。結果として、Webサイトにも同様の質感を期待するユーザーが増えます

ユーザーの期待値の変化

iOS 26でリキッドグラスに日常的に触れるユーザーは、従来のフラットなUI要素に対して「古い」と感じる可能性があります。Webデザインにおいても、質感や奥行きを取り入れることが差別化につながります。

GPUの進化による実現可能性

数年前はブラウザで重い視覚効果を実装するとパフォーマンスが著しく低下しましたが、2026年のデバイスではGPU性能が向上し、backdrop-filterやCSS animationの組み合わせでリッチな表現が可能になっています。


Webデザインへの応用例

リキッドグラスの要素をWebサイトに取り入れるパターンを紹介します。

ナビゲーションバー

スクロールに応じてナビゲーションの背景が透明→半透明に変化し、背景コンテンツがぼやけて透ける表現。iOS 26のSafariのような体験をWebで再現できます。

カードコンポーネント

ホバー時にカードの背景がわずかに透明になり、光の反射が移動する表現。情報カードに高級感と立体感を加えられます。

モーダル・ダイアログ

モーダルの背景にぼかし効果を適用し、コンテンツが「浮いている」ように見せる表現。すでに多くのサイトで採用されています。

ヒーローセクション

背景画像の上にリキッドグラス風のオーバーレイを配置し、テキストの可読性を確保しつつ奥行きを演出。


実装アプローチ

CSS backdrop-filterの応用

リキッドグラスの「透明感+ぼかし」はCSS backdrop-filterで基本的な表現が可能です。

.liquid-glass {
  background: rgba(255, 255, 255, 0.1);
  backdrop-filter: blur(20px) saturate(180%);
  -webkit-backdrop-filter: blur(20px) saturate(180%);
  border: 1px solid rgba(255, 255, 255, 0.2);
  border-radius: 16px;
}

saturate() を加えることで、背景色の彩度が上がり、より「ガラスらしい」質感になります。

SVGフィルターの活用

CSS単体では難しい「屈折」効果は、SVGフィルター(feTurbulence + feDisplacementMap)で表現できます。

<svg style="display:none">
  <filter id="liquid">
    <feTurbulence type="turbulence" baseFrequency="0.01" numOctaves="3" result="noise" />
    <feDisplacementMap in="SourceGraphic" in2="noise" scale="5" />
  </filter>
</svg>

ただし、パフォーマンスへの影響が大きいため、使用は限定的にしましょう。

ライブラリ・プラグインの活用

完全なリキッドグラス効果を実現するには、以下のライブラリの活用も検討できます。

  • Three.js: WebGLベースの3D屈折効果
  • GSAP + ScrollTrigger: スクロール連動のアニメーション
  • Lenis: スムーススクロールとの組み合わせ

注意点(パフォーマンス・アクセシビリティ)

パフォーマンスへの影響

backdrop-filterGPUリソースを多く消費します。特にモバイルデバイスでは注意が必要です。

対策:
– ぼかし効果を適用する要素の数を最小限に抑える
will-change: backdrop-filterで事前にGPUレイヤーを確保
– モバイルではぼかしの強度を下げる(blur(20px)blur(10px)

アクセシビリティへの配慮

半透明のUI要素は、背景によってはテキストの可読性が低下します。

対策:
– テキスト部分のコントラスト比を必ず検証する
prefers-reduced-transparencyメディアクエリで、透明効果を無効化するオプションを提供
– 背景に関係なくテキストが読めるよう、十分な不透明度を確保

@media (prefers-reduced-transparency: reduce) {
  .liquid-glass {
    background: rgba(30, 30, 30, 0.95);
    backdrop-filter: none;
  }
}

まとめ

リキッドグラスデザインのポイントを整理します。

  • 特徴: 透明感+液体的な動き+物理的な反射
  • グラスモーフィズムとの違い: 動的な反射・屈折が加わった進化形
  • Web実装: backdrop-filter + SVGフィルターで基本表現は可能
  • 注意点: パフォーマンスとアクセシビリティへの配慮が必須

リキッドグラスの「完全再現」は現時点ではWebでは困難ですが、エッセンスを取り入れることは十分可能です。「透明感のある質感」「微妙な反射」「滑らかな動き」を組み合わせて、iOS 26時代のユーザーの期待に応えるデザインを目指しましょう。

iOS 26がWebデザインに与える影響については「iOS 26のデザイン変更がWebデザインに与える影響」もあわせてご覧ください。