この記事の対象: Web制作の発注を検討している企業担当者、過去にWeb制作で失敗経験がある方
読了時間: 約7分
「デザインはきれいなのに問い合わせが増えない」「公開が3ヶ月も遅れた」「追加費用が当初見積もりの1.5倍に」——Web制作の現場では、こうした失敗が日常的に起きています。
失敗の原因は、発注者側にあることもあれば制作会社側にあることもあります。この記事では、Web制作でよくある失敗パターンを発注者側4選・制作会社側3選に分けて紹介し、それぞれの回避策をまとめます。
発注者側の失敗事例4選
失敗1: 目的が曖昧なまま進めてしまう
よくある状況: 「なんとなくサイトが古いから」「社長に言われたから」でリニューアルをスタート。制作会社に「いい感じにしてください」と依頼。
何が起きるか:
– デザイン提案のたびに「なんか違う」とフィードバックが繰り返される
– 修正回数が上限を超え、追加費用が発生
– 完成したサイトが「きれいだけど成果が出ない」状態に
回避策: 制作開始前に「問い合わせを月20件に増やす」「採用応募を月5件に増やす」など定量的な目標を設定する。
失敗2: 制作会社に丸投げしてしまう
よくある状況: 「プロに任せたから大丈夫」と、原稿の準備も確認作業も後回し。
何が起きるか:
– 制作会社が「仮テキスト」で進め、公開直前に大量の原稿差し替えが発生
– 素材(写真・ロゴ)の提供が遅れ、スケジュール全体が後ろ倒しに
– 確認作業をまとめて行うため、手戻りが大量発生
回避策: 制作スケジュールに「発注者側のタスク(素材提出期限、確認期限)」を明記する。発注の流れは「Web制作の発注から公開までの流れ」を参考に。
失敗3: デザインの好みだけで判断してしまう
よくある状況: 社長が「この青は嫌い」「もっとカッコよくして」と主観的なフィードバック。デザイン修正が延々と続く。
何が起きるか:
– デザイナーの提案意図が無視され、UXが悪化
– 修正回数が上限を超え、追加費用が発生
– 結局「社長の好み」に合わせたサイトになり、ターゲットユーザーに刺さらない
回避策: デザインの判断基準を「個人の好み」ではなく「ターゲットユーザーにとって効果的か」に統一する。事前に参考サイトを3件以上共有しておくと認識のズレが減る。
失敗4: 公開後の運用を考えていない
よくある状況: 「公開すれば終わり」と思っている。保守契約を結ばず、公開後は放置。
何が起きるか:
– WordPressのアップデートを放置し、セキュリティ事故が発生
– お知らせが2年間更新されず「この会社はまだ営業しているのか」と思われる
– アクセス解析を見ないため、改善のチャンスを逃し続ける
回避策: 公開前に運用体制を決める。更新担当者の選定、月次の更新スケジュール、保守契約の内容を事前に確認。
制作会社側の問題による失敗3選
失敗5: 営業担当と制作担当が別人
よくある状況: 提案時に対応してくれた営業が優秀で安心していたが、制作が始まると見たことのないディレクターが担当に。
何が起きるか:
– 営業時に話した要件が制作チームに伝わっていない
– コミュニケーションの質が営業時と大きく異なる
– 「こんなはずじゃなかった」という不満が蓄積
回避策: 契約前に「実際に制作を担当するディレクター」と直接話す機会を設ける。「提案時の営業と制作担当は同じ方ですか?」と確認する。
失敗6: 下請けへの丸投げ
よくある状況: 大手制作会社に依頼したが、実際の制作は下請けが行っている。
何が起きるか:
– コミュニケーションのロスが発生(元請け→下請けの伝言ゲーム)
– 品質管理が元請けの裁量に依存し、仕上がりにバラつき
– 問題発生時の対応が遅い
回避策: 「制作は自社で行いますか?外部に委託しますか?」と直接確認する。外部委託の場合は、品質管理の体制を確認。
失敗7: スケジュール遅延の常態化
よくある状況: 制作会社のキャパシティオーバーで、スケジュールが何度も後ろ倒しに。
何が起きるか:
– 公開予定日に間に合わず、ビジネスイベント(展示会、キャンペーン等)に影響
– 遅延が続くと発注者側のモチベーションが低下
– 「もういいから早く公開して」と品質を妥協して公開
回避策: 契約書に「マイルストーンと遅延時のペナルティ条項」を入れる。中間チェックポイントを設けて進捗を定期的に確認する。
制作会社の選び方については「WEB制作会社の選び方完全ガイド」で詳しく解説しています。
失敗を防ぐチェックポイント
| フェーズ | チェック項目 |
|---|---|
| 発注前 | 目的とKPIを数値で設定したか |
| 発注前 | RFPを作成し、3社以上に依頼したか |
| 契約時 | 見積もり内訳が明確か(「一式」はNG) |
| 契約時 | 修正回数の上限と追加費用の条件を確認したか |
| 契約時 | 著作権の帰属を確認したか |
| 制作中 | 素材提出の期限を守っているか |
| 制作中 | フィードバックをまとめて1回で出しているか |
| 公開前 | リダイレクト設定を確認したか |
| 公開後 | 運用体制と保守契約を確認したか |
まとめ
Web制作の失敗パターンを7つ紹介しました。
発注者側の失敗:
1. 目的が曖昧 → 定量目標を設定
2. 丸投げ → 発注者タスクをスケジュールに明記
3. 好みで判断 → ターゲットユーザー視点で判断
4. 運用を考えない → 公開前に運用体制を構築
制作会社側の失敗:
5. 営業と制作が別人 → 事前に制作担当と面談
6. 下請け丸投げ → 制作体制を直接確認
7. スケジュール遅延 → マイルストーンと中間チェック
失敗の多くはコミュニケーション不足が原因です。発注者と制作会社がお互いの期待値をすり合わせ、定期的に進捗を確認する体制を作ることが、最大の失敗予防策です。
リニューアルの正しい進め方は「WEBサイトリニューアルの進め方完全ガイド」をご覧ください。
