この記事の対象: 初めてサイト制作に関わる担当者
読了時間: 約7分
「制作会社に何を伝えればいいかわからない」「打ち合わせで聞かれることに答えられなかった」——Web制作に初めて関わる担当者にとって、要件定義は最初のハードルです。
要件定義とは、サイト制作の「設計図」を作る工程です。ここが曖昧だと、デザインもコーディングも手戻りが発生し、予算オーバーや納期遅延の原因になります。
この記事では、要件定義で決めるべき項目を一覧で紹介し、進め方のステップとよくある失敗パターンを解説します。
要件定義とは(なぜ重要か)
要件定義は、「どんなサイトを、誰のために、何の目的で作るか」を文書化する工程です。家を建てる前の設計図と同じで、この段階の精度がプロジェクト全体の成否を左右します。
要件定義が曖昧なまま進めると、以下のような問題が発生します。
- デザインの方向性がブレて修正が増える
- 必要な機能が後から判明し追加費用が発生する
- 関係者の認識がずれて承認が何度もやり直しになる
要件定義で決めるべき項目一覧
サイトの目的・KPI
「何のためにサイトを作るのか」を明確にします。
例: 問い合わせ月10件、採用応募月5件、売上月100万円
ターゲットユーザー
サイトの主な利用者は誰かを定義します。年齢、職業、課題、利用デバイス(PC/スマホの比率)などを整理しましょう。
サイト構成(ページ数・サイトマップ)
どのようなページが必要かを洗い出します。トップ、サービス紹介、会社概要、実績、お知らせ、問い合わせなど、ページの一覧とその階層構造を決めます。
機能要件(CMS/フォーム/検索/EC等)
サイトに必要な機能を洗い出します。
- CMS(自社で更新するか)
- 問い合わせフォーム
- 検索機能
- 会員機能
- EC(カート・決済)
- 予約システム
デザイン要件(テイスト/参考サイト/ブランドガイドライン)
デザインの方向性を伝えるための情報です。参考サイトを3〜5個用意し、「どこが好きか」を具体的に伝えると制作会社との認識合わせがスムーズです。
コンテンツ要件(原稿/写真/動画の用意)
テキスト原稿、写真、動画など、コンテンツの準備を誰が担当するかを決めます。自社で用意するか、制作会社にライティングや撮影を依頼するかで費用が変わります。
技術要件(CMS種類/サーバー/ドメイン)
WordPressなどのCMS指定、サーバーの要件、既存ドメインの引き継ぎなど、技術的な条件を整理します。
SEO要件
ターゲットキーワード、既存サイトからのリダイレクト対応、メタタグの設定など、SEOに関する要件です。
スケジュール
公開希望日から逆算し、各工程のマイルストーンを設定します。制作期間の目安は「ホームページ制作の期間」をご覧ください。
予算
総予算と、その内訳(制作費/コンテンツ制作費/保守費)を明確にします。
要件定義の進め方(3ステップ)
①社内でたたき台を作る
まずは社内で上記の項目を埋めてみましょう。すべてを完璧に埋める必要はありません。「わからない」「未定」の項目は空欄のままでOKです。
制作会社に見積もりを依頼する際、たたき台があるだけで精度の高い見積もりが返ってきます。
②制作会社とヒアリングですり合わせる
たたき台をもとに、制作会社とのヒアリングで詳細を詰めます。プロの視点から「こうしたほうがいい」「この機能は不要では」といった提案ももらえるため、最初から完璧を目指す必要はありません。
RFP(提案依頼書)をまとめる場合は「RFP(提案依頼書)の書き方」を参考にしてください。
③要件定義書として文書化する
ヒアリングの結果を要件定義書として文書化し、双方で合意します。この文書がプロジェクトの基準書になります。口頭の約束は後からトラブルの原因になるため、必ず文書に残しましょう。
よくある失敗
「おまかせ」にしてしまう
「プロにおまかせ」は一見ラクですが、制作会社は発注者の事業やターゲットを完全には理解できません。結果として「思っていたのと違う」が発生し、修正が増えてプロジェクトが長引きます。
決裁者が参加していない
要件定義の段階で最終決裁者(社長や役員)が参加していないと、デザインやコンテンツの承認段階で「やり直し」が発生します。決裁者を早い段階から巻き込むことが重要です。
途中で要件を変更する
制作開始後に「やっぱりこの機能もほしい」と要件を追加すると、スケジュールと費用の両方に影響します。要件変更が必要な場合は、影響範囲と追加費用を必ず確認してから進めましょう。
発注の流れ全体については「ホームページ制作の発注の流れ」をご覧ください。
まとめ
要件定義のポイントをまとめます。
- 要件定義は制作の設計図。ここが曖昧だと全工程に影響
- 10項目の一覧で漏れなく整理する
- たたき台を作って制作会社とすり合わせる(完璧でなくてOK)
- 最終的に文書化して合意する
- 決裁者を早期から参加させる
要件定義に時間をかけることは「遠回り」ではなく「最短ルート」です。
