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採用サイト・転職・求人のWebサイトデザイン事例15選|傾向と実例

この記事の対象: 採用サイトのリニューアルを検討する人事・採用担当者、制作を依頼する側の企業担当者
読了時間: 約9分

Soreiine!!ギャラリーに掲載された全162件のうち、採用サイト・転職・求人カテゴリは15件。数としては多くありませんが、業種も企業規模もばらばらな15件を並べてみると、色使いとレイアウトの選び方にはっきりした傾向が見えてきました。今回はこの15件のデータをもとに、「なぜその配色・構成が選ばれているのか」を制作者目線で解き明かします。


掲載15件を数字で見る

掲載15件を数字で見る

まずは母数の話から。Soreiine!!全162件のうち、採用サイトは15件。全体の1割弱です。ここから浮かび上がる傾向を、カラーとレイアウトの2軸で整理します。

カラー傾向:ブルー系が半数近くを占める

カラー系統 件数
ブルー系 7件
ホワイト系 3件
オレンジ系 1件
ベージュ系 1件
ブラック系 1件
グレー系 1件
ピンク系 1件

15件中7件、ほぼ半数がブルー系という結果です。これは偶然ではなく、採用サイトという媒体の性格上、理にかなった選択だと考えられます。

【制作者目線】採用サイトは「この会社で働きたい」と思わせる場である以前に、「この会社を信頼していいか」を判断される場でもあります。ブルーは誠実・信頼・安定感を連想させる色として、コーポレートサイトでも古くから多用されてきました。求職者は転職・就職という人生の意思決定をする立場なので、派手な演出より先に「危なくない会社だ」という安心材料が要ります。ブルーはそこに応える色です。

【発注者目線】自社のコーポレートカラーがブルー系でない場合でも、採用サイトだけ部分的にブルーへ寄せる企業は珍しくありません。ブランドの一貫性よりも「採用という文脈で何を伝えたいか」を優先した判断です。無理に自社カラーを貫くより、目的に応じて配色を変える柔軟さも選択肢に入れる価値があります。

レイアウト傾向:1カラムが3分の2

レイアウト 件数
1カラム 10件
シングルページ 4件
レスポンシブ 1件

15件中10件が1カラムレイアウト。さらにシングルページの4件を合わせると、15件中14件が「上から下へ読み進める」構成を採っています。

【制作者目線】採用サイトは、企業理念・事業内容・社員紹介・募集要項・選考フローと、伝える情報の種類が多い割に、求職者は初訪問時にすべてを精読しません。1カラムでストーリーとして上から下へ流す構成は、情報の優先順位を制作側でコントロールしやすく、スクロールするだけで自然と会社理解が深まる設計にできます。多カラムで情報を並列に置くより、読ませたい順番に強制的に誘導できるのが1カラムの強みです。

【発注者目線】1カラム構成は更新のしやすさにもつながります。セクションを縦に積む設計なら、後から「新しい社員インタビューを1つ追加したい」といった要望にも、既存のレイアウトを崩さず対応しやすくなります。採用サイトは公開して終わりではなく、募集職種や社員の声を随時更新していく運用が前提になるため、この構成のしやすさは中長期で効いてきます。

採用サイト15件の構成比

レイアウト(15件)

  • 1カラム 10件
  • シングルページ 4件
  • レスポンシブ 1件

カラー(15件)

  • ブルー系 7件
  • ホワイト系 3件
  • その他5系統 各1件

この図からも分かる通り、採用サイトは「奇をてらわず、縦一本の読み物として設計する」のが定石になっています。一方でカラーは半数がブルーに寄りつつも、残り半数は業種や企業文化に応じて散らばっており、ここが各社の個性の出しどころになっています。


実例で見る:傾向の中の工夫

実例で見る:傾向の中の工夫

ここからは、掲載サイトの中から特徴的な事例を紹介します。数字だけでは見えない「同じブルー系・同じ1カラムでも、どう差別化しているか」を見ていきましょう。

弥生株式会社の採用サイト

弥生株式会社の採用サイトは、「1人の覚悟が、99%を動かす。」というキャッチコピーと、画面を横切るカラフルな矢印のビジュアルが目を引きます。

【制作者目線】ブルー系グラデーションを基調にしながら、矢印だけを多色にする配色設計が巧みです。ベースカラーを1色に絞って企業としての落ち着きを保ちつつ、動きを表現する要素だけにアクセントを集中させることで、視線誘導と企業姿勢の表現を同時にこなしています。会計ソフトという堅実な事業と、挑戦する企業文化という一見相反する2つのイメージを、色の使い分けだけで両立させているのが見どころです。

【発注者目線】「うちの会社は真面目だけど、実は挑戦的な社風もある」というギャップを伝えたい企業には参考になる事例です。ナビゲーションも代表メッセージや価値観など求職者が知りたい情報が整理されており、見た目の演出だけでなく情報設計としても機能しています。

コサウェルの採用サイト

コサウェルの採用サイトは、ライトブルーのグラデーション背景にスタッフの働く様子を写した写真を複数配置した、IT企業らしいクリーンな構成です。

【制作者目線】特筆すべきは、EVENTとENTRYという2つのCTA(行動喚起ボタン)を明確に分けている点です。採用サイトの多くはエントリーへの一直線な導線に偏りがちですが、「まずはイベントで様子を知りたい」段階の求職者と「もう応募する気がある」段階の求職者、両方の受け皿を用意しているのは合理的な設計です。レインボーカラーのアクセントラインも、多様性を示唆する仕掛けとしてさりげなく効いています。

【発注者目線】応募のハードルが高い職種や、初めて自社を知る求職者が多い採用サイトでは、「いきなりエントリー」以外の中間的な導線を用意することがコンバージョン改善につながります。CTAを1種類に絞らない設計は、採用サイトのアクセス解析データを持っている企業ほど検討する価値があります。

保育園さくらさくみらいの中途採用サイト

15件の中で唯一ピンクを基調にしたのが、保育園さくらさくみらいの中途採用サイトです。

【制作者目線】ブルー系が信頼感を演出するのに対し、ピンクは温かみや親しみやすさを表現する色です。保育士と子どもたちの笑顔の写真とあわせて、「おうちのようなほいくえん」という理念をビジュアルと色の両面から一貫して伝えている点が秀逸です。業種によっては、信頼感より親近感を優先したほうが求職者に刺さるという好例です。

【発注者目線】入社支度金のバナーや募集要項一覧、資料請求のCTAが目立つ位置に配置されており、採用サイトとしての実務的な機能もしっかり押さえています。世界観の演出とコンバージョン設計は両立できることを示す事例です。

那須高原の旅館・山水閣の採用サイト

山水閣の採用サイトは、15件の中でも異色の存在です。縦書きのコピーと余白を贅沢に使ったレイアウトで、和の情緒を前面に出しています。

【制作者目線】シングルページ構成でありながら、情報量を絞り、余白そのものを表現要素として使っている点が特徴的です。老舗旅館という業種の格式を、情報の詰め込みではなく「間」で表現するアプローチは、ブルー系・1カラムが主流の採用サイト全体の中でも独自性があります。

【発注者目線】伝統や格式を大切にする業種では、情報量の多さよりも「らしさ」を優先したデザインが応募者の期待値を正しく設定します。多くを語らないことで、逆に興味を引く構成もあり得ることを示しています。

パーソルのカルチャーデック特設サイト

パーソルグループのカルチャーデック特設サイトは、青の線画イラストで山岳風景を描いた、アートワークとしての完成度が高いサイトです。

【制作者目線】企業文化を言葉ではなくイラストの「旅路」というメタファーで語る手法は、採用サイトというよりブランディングサイトに近い作り方です。ブルー基調という点では他の事例と共通しますが、写真ではなくイラストレーションを主軸に据えることで、他の14件とは明確に異なる質感を実現しています。

【発注者目線】カルチャーデック(企業文化をまとめた資料)自体をWebで公開する取り組みは、採用候補者だけでなく在籍社員にも価値観を再確認させる効果があります。グループ規模ならではの体制ではありますが、「企業文化を可視化して外に開く」という発想自体は規模を問わず参考にできます。


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自社サイトに活かすポイント

自社サイトに活かすポイント

ここまでの15件から見えてきた傾向を、実際に採用サイトを検討する際の判断材料としてまとめます。

  • 配色に迷ったらブルー系が無難な選択肢 — ただし「無難」で終わらせず、矢印やアクセントカラーなど差し色の使い方で個性を出す余地は十分にある
  • 情報量が多いなら1カラムで縦に積む — 求職者に読ませたい順番を制作側でコントロールできる
  • 業種の個性が強いなら配色で逆張りする選択肢もある — 保育・旅館の事例のように、信頼感より親近感や格式を優先したほうが刺さる業種もある
  • CTAは1種類に絞らない — エントリーへの直行だけでなく、イベント参加など中間の受け皿があると離脱を防げる

採用サイトは「会社を紹介するサイト」である以前に、「働くイメージを持たせて応募までの心理的ハードルを下げるサイト」です。色とレイアウトの選択は、その心理設計の一部として機能していることを、今回の15件は物語っています。

自社サイト全体の構成やページ数の考え方については、こちらも参考になります。

採用サイトはWordPressで構築されるケースも多く、社員インタビューやブログ形式での更新運用を前提に設計することもあります。カスタムフィールドでの運用を検討する場合はこちらも参照してください。


よくある質問

よくある質問

採用サイトのデザインはブルー系にしないといけませんか

必須ではありません。今回の15件でもブルー系は7件で半数弱にとどまり、ピンク・グレー・ベージュ・ブラック・オレンジと幅があります。信頼感を重視するならブルー系が無難ですが、業種や伝えたい社風に応じて親しみやすさや格式を優先する配色も十分選択肢になります。

採用サイトはなぜ1カラム構成が多いのですか

企業理念から募集要項まで情報の種類が多く、読ませたい順番を制作側でコントロールしやすいためです。今回の15件でも1カラムとシングルページを合わせると15件中14件がこの構成を採っており、求職者に上から下へ自然に読み進めてもらう設計が定番になっています。

採用サイトのCTAはエントリーボタン1つで十分ですか

事例によっては、エントリー以外にイベント参加など中間的な導線を用意しているケースもあります。応募のハードルが高い職種や、初めて自社を知る求職者が多い場合は、いきなりの応募以外の受け皿があるとコンバージョンの改善につながる可能性があります。

採用サイトと通常のコーポレートサイトで配色を変えてもいいですか

問題ありません。ブランドの一貫性よりも、採用という文脈で伝えたい印象を優先して配色を変える企業は珍しくありません。採用サイトは求職者という異なる読者に向けた別の目的を持つページなので、コーポレートカラーに縛られすぎない判断も選択肢です。

採用サイトのリニューアルはどこから始めればいいですか

まずは自社が伝えたい印象(信頼感か、親しみやすさか、格式か)を言語化し、それに合う配色とレイアウトの方向性を決めることから始めます。情報量が多い場合は1カラム構成で優先順位をつけた流れを設計し、応募までの導線を段階的に用意する設計が基本です。

Soreiine!!では他にも様々な業種のWebサイト事例を掲載しています。自社の業種に近い事例を探してみるのもおすすめです。