この記事の対象: Web制作の発注を検討中で、予算オーバーを防ぎたい企業担当者
読了時間: 約6分
「見積もり通りに進むと思っていたのに、追加費用が発生して予算オーバー」——Web制作の現場で最もよく聞くトラブルの1つです。
追加費用の多くは、契約前の確認不足が原因。事前に「どのケースで追加費用が発生するか」を把握しておけば、予算内で制作を完了できます。
この記事では、Web制作で追加費用が発生しやすい7つのケースと、それを防ぐための具体的な方法を解説します。
追加費用が発生しやすい7つのケース
ケース1: デザイン修正回数が上限を超えた
多くの制作会社では「デザイン修正は3回まで無料」などの条件を設けています。修正回数を超えると、1回あたり数万円の追加費用が発生するのが一般的です。
なぜ起きるか: 社内の確認フローが定まっておらず、確認者が毎回違うフィードバックを出す。
防止策: デザイン確認の最終決裁者を1人に決め、フィードバックは1回にまとめて出す。
ケース2: 途中でページ数が増えた
「やっぱりこのページも必要」「採用ページも追加して」——企画段階で決まっていなかったページが制作途中に追加されるケースです。
費用の目安: 1ページ追加あたり3〜10万円(内容と複雑さによる)。
防止策: 企画段階でサイトマップを確定させ、追加ページの費用も事前に確認しておく。
ケース3: 原稿・写真の準備が遅れた
制作会社はスケジュールに合わせてデザイナーやコーダーを確保しています。素材の提供が遅れると待機工数が発生し、その分が追加費用として請求される場合があります。
防止策: 制作スケジュールに「発注者側のタスク期限」を明記し、期限を守る。発注の流れは「Web制作の発注から公開までの流れ」を参考にしてください。
ケース4: 公開後に機能を追加したい
「問い合わせフォームを追加したい」「ブログ機能を付けたい」など、公開後の機能追加は新規開発扱いとなり、当初の見積もりとは別費用になります。
防止策: 将来必要になりそうな機能は、企画段階でリストアップしておく。「今回は実装しないが、将来追加する可能性がある」と伝えれば、拡張しやすい設計にしてもらえます。
ケース5: スマホデザインが別料金だった
「レスポンシブ対応」が見積もりに含まれているか確認していなかったケース。PC版のデザインのみで見積もりを取り、スマホ版は別途費用だった、ということがあります。
費用の目安: スマホ対応で+20〜50%の追加費用。
防止策: 見積もり段階で「レスポンシブ対応は含まれていますか?」と明確に確認する。
ケース6: SEO対策が別料金だった
「SEOに強いサイトを作ります」と提案されたのに、蓋を開けてみると基本的なSEO設定(titleタグ、meta description、見出し構造)は別料金だったケース。
防止策: 「SEO対策」の範囲を具体的に確認する。最低でもタイトルタグ、メタディスクリプション、見出しタグの最適化、画像altタグの設定は含まれるべきです。
ケース7: CMS操作マニュアルが別料金だった
CMSを導入したのに、操作方法のマニュアルや説明会は別料金——これも意外と多いケースです。
費用の目安: マニュアル作成で3〜10万円、操作説明会で3〜5万円。
防止策: CMS導入時は「操作マニュアルと説明会は費用に含まれますか?」と確認する。
契約前に確認すべき10項目チェックリスト
以下の項目を、契約前に必ず制作会社に確認しましょう。
| # | 確認項目 | 確認するポイント |
|---|---|---|
| 1 | デザイン修正回数 | 無料は何回まで?超過時の費用は? |
| 2 | ページ数の上限 | 追加ページ1Pあたりの費用は? |
| 3 | レスポンシブ対応 | スマホ・タブレット対応は含まれるか? |
| 4 | SEO基本設定 | どこまでの設定が含まれるか? |
| 5 | CMS操作マニュアル | マニュアル作成と説明会は含まれるか? |
| 6 | テスト工程 | ブラウザテスト・動作テストは含まれるか? |
| 7 | 納品物の範囲 | デザインデータ(PSD/Figma)は含まれるか? |
| 8 | 保守・運用費 | 公開後の保守費は月額いくらか? |
| 9 | 著作権の帰属 | デザイン・コードの著作権は誰に? |
| 10 | 支払い条件 | 着手金・中間金・完了時の比率は? |
見積もりに「一式」とだけ書かれている場合は要注意です。内訳の詳細を必ず確認しましょう。見積もりの見方については「Web制作の見積もり比較ガイド」で解説しています。
追加費用を防ぐ3つの方法
方法1: 要件をRFPで明確にする
RFP(提案依頼書)を作成し、「何を作るか」「何が含まれるか」を事前に明確にすることで、認識のズレによる追加費用を防げます。
RFPの書き方は「RFPの書き方完全ガイド」を参考にしてください。
方法2: 見積もり内訳を項目別に確認する
「デザイン費○万円、コーディング費○万円、CMS構築費○万円」と項目別に分かれた見積もりをもらい、各項目に何が含まれるかを確認します。
方法3: 変更管理のルールを事前に決める
制作途中の仕様変更は避けられないもの。重要なのは「変更が発生した場合のルール」を契約時に決めておくことです。
- 軽微な修正(テキスト修正など)は追加費用なし
- ページ追加は1Pあたり○万円
- デザイン方向の変更は再見積もり
こうしたルールを「変更管理ルール」として契約書に盛り込みましょう。
まとめ
Web制作で追加費用が発生する主な原因は以下の7つです。
- デザイン修正回数の超過
- ページ数の追加
- 素材提供の遅延
- 公開後の機能追加
- スマホ対応が別料金
- SEO対策が別料金
- CMS操作マニュアルが別料金
これらの多くは契約前の確認で防げます。見積もりの「一式」を鵜呑みにせず、項目別の内訳と条件を確認することが、予算オーバーを防ぐ最大のポイントです。
失敗事例と回避策は「Web制作で失敗する7つのパターン」もあわせてご覧ください。
