この記事の対象: グリーン系配色の採用を検討しているWebデザイナー・制作ディレクター
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グリーンは「安心」「自然」「誠実」を伝えやすい色ですが、トーン次第で与える印象が大きく変わります。この記事ではSoreiine!!ギャラリーに掲載された実例をもとに、グリーンがどんな業界でどう使われているか、具体的な配色指定とあわせて解説します。
グリーン系配色が選ばれる業界の傾向

Soreiine!!ギャラリーに掲載されているグリーン系サイトを見渡すと、特定の業界に偏らず幅広く採用されていることがわかります。文房具・生活用品、アート・美術館・展覧会、地域情報、建築・住宅・不動産、環境・福祉・ボランティアといったジャンルで目立って使われているほか、食品・飲料、病院・医療、レジャー・アウトドア、美容・健康、家電・PCといった業種にも点在しています。
突出したジャンルがないのがグリーンの特徴で、自然・安心・誠実という3つの印象を業種を問わず流用できる汎用性の高さがうかがえます。
安心・ケアを伝えたい
- 医療・心理療法
- 福祉・ボランティア
- 循環葬などの新サービス
自然・素材感を伝えたい
- 文房具・工芸品
- 食品・飲料
- 建築・不動産
同じグリーンでも、彩度とトーンの選び方で「安心を伝える」側にも「自然を伝える」側にも寄せられます。以下、実例で見ていきます。
事例で見るグリーンの使い方

ミントグリーンで上品さと華やかさを両立する
フェリシモの100枚便せん特集ページ(Soreiine!!掲載)は、ミントグリーンの背景にアンティーク調のカードビジュアルを散りばめたギャラリー形式のページです。100種類すべて柄が異なる便せんという商品特性を、グリッドレイアウトで一覧させることで「選ぶ楽しさ」に変換しています。
見どころは次の3点です。
- クラシカルな柄を等間隔グリッドに並べ、比較しながら選べる導線にしている
- ミントグリーンの背景がアンティークカードの上品さを引き立てている
- SNSシェア導線が中央のモーダルに配置され、拡散を狙う設計になっている
クラシカルな素材とモダンなグリッド表現の組み合わせは、素材点数が多い商品を扱うECサイトで参考になる手法です。グリッドレイアウトの実装は下記記事で詳しく解説しています。
和とモダンをつなぐミントグリーン
BEAMS別府竹細工の特集ページ(Soreiine!!掲載)も同系統のミントグリーンを使っていますが、こちらは伝統工芸を紹介する縦書きコピーと組み合わせることで、和の格式を損なわずにモダンな印象を作っています。
- 縦書きテキストと横組みの余白を対比させ、伝統工芸の格式を演出している
- 同じミントグリーンでも組版の選び方で印象がまったく変わる好例になっている
- ファッションブランドが伝統工芸を紹介するという切り口自体が新鮮
同じミントグリーンでも、タイポグラフィの選び方(横組みか縦書きか)によって「かわいらしさ」寄りにも「格式」寄りにも振れることがこの2事例を並べるとよくわかります。
深い緑の森ビジュアルで安心と信頼を伝える
医療・福祉系ではより落ち着いたグリーンが使われる傾向があります。西宮心理療法オフィスのサイト(Soreiine!!掲載)は、大きな木の下で人々が穏やかに過ごすイラストを画面全体に配置し、グリーンを基調にした自然のモチーフで心の安らぎを象徴しています。「どこにも行き場のない気もちを話してみませんか」というコピーが、心理療法という相談しにくいサービスの心理的ハードルを下げる役割を果たしています。
- 温かなイラストで心理療法の敷居を下げる設計になっている
- グリーン基調の自然モチーフが心の安らぎを象徴している
- 優しいメッセージコピーが訪問者の不安を和らげている
循環葬という新しい弔いのかたち(Soreiine!!掲載)も同様の考え方です。「お墓を手放す、その先に。森に還る循環葬」というコピーとともに、深い緑の森をフルスクリーンで見せることで、聞き慣れないサービス名を直感的に理解させています。見学予約と資料請求のCTAが右上に明確に配置されている点も、新しいサービスへの不安を解消する設計として参考になります。
ビビッドなグリーンで若々しさを演出する
グリーンは落ち着いた印象だけでなく、大胆に使うことで元気や新しさを打ち出すこともできます。株式会社桐山組のコーポレートサイト(Soreiine!!掲載)は、鮮やかなグリーンの背景に「キリがないほど、桐山組。」という遊び心のあるコピーを大きく配置しています。長い歴史を持つ建設会社でありながら、色面を大胆に使うことで若々しく活気ある印象に転換しているのが特徴です。
- グリーンの大胆な色面構成で建設業の新しい印象を作っている
- 社名を活かした言葉遊びのコピーが記憶に残る
- 「3分でわかる桐山組」など関心を引くコンテンツ導線がある
地域活性プロジェクトTABOTENZU(Soreiine!!掲載)も鮮やかなグリーン背景に、家族3人が丘の上に立つコラージュ写真を組み合わせ、地域密着の温かみと遊び心を表現しています。写真の切り抜きと背景のテクスチャによる手作り感が、企業的になりすぎない親近感を作っています。
ブルーグリーンで清潔感を訴求する
美容・健康ジャンルでは、グリーンに青みを足したブルーグリーンが清潔感の演出に使われています。花王メリットOsoloのプロモーションサイト(Soreiine!!掲載)は、洗濯物を干すカップルの自然体な写真をメインビジュアルにし、ブルーグリーンのカラーアクセントで爽やかさと清潔感を訴求しています。ペアで使えるヘアケア製品という新しい価値提案を、派手さを抑えたトーンで伝えている点が特徴です。
グリーン×別色の対比で選択を促す
グリーン単色ではなく、対比色と組み合わせて使うことで「選ぶ」体験を作ることもできます。濵田酒造チルグリのブランドサイト(Soreiine!!掲載)は、グリーンとピンクの3カラムスプリットレイアウトで2つのフレーバーを対比的に紹介しています。中央に「あなたはどっチル?」という言葉遊びのコピーを配置し、ユーザーに選択を促すインタラクティブな体験を作っている点がポイントです。
- 2フレーバーの対比を3カラムで視覚的に表現している
- 「どっチル?」の言葉遊びでユーザーの関心を引いている
- 温かみあるイラストがリラックスした世界観を作っている
このようなカラムの出し分けは、テンプレート別に表示条件を切り替える実装がベースになります。
Shopifyセクションの表示条件|テンプレート別の出し分け実装ガイド
配色設計のポイント

事例を踏まえると、グリーン系の配色は大きく3つのトーンに分けて考えると設計しやすくなります。
配色を決める際に押さえておきたい実務上のポイントは以下の通りです。
- 背景に敷くか、アクセントに使うかを先に決める。ミントグリーンは背景全面に敷いても圧迫感が出にくく、ビビッドグリーンは色面として大きく使うほど効果的です。
- 写真・イラストのトーンと揃える。西宮心理療法オフィスや循環葬の事例のように、ビジュアル自体がグリーン寄りの色調であれば、背景色との一体感が生まれます。
- コピーとの組み合わせで格式を調整する。同じミントグリーンでも横組みのポップな書体と縦書きの明朝体では、与える印象が大きく変わります。
- 対比色を使う場合は役割を分ける。チルグリの事例のように、2つの選択肢を見せたいときはグリーンと補色に近い色(ピンクなど)を1:1で使うと選択を促しやすくなります。
配色を決めたあとの実装段階では、画像点数が多いページほど表示速度への影響が出やすくなります。ギャラリー形式やコラージュ写真を多用する場合は、遅延読み込みの設定も合わせて検討してください。
よくある質問

グリーン系の配色はどんな業界に向いていますか?
Soreiine!!ギャラリーの掲載事例では、文房具・生活用品、アート・美術館、地域情報、建築・住宅、環境・福祉といった業界で特に多く採用されていますが、特定業種に偏らず幅広く使われているのが実態です。安心感を伝えたい医療・福祉系と、自然・素材感を伝えたい工芸・食品系のどちらにも相性がよい色です。
ミントグリーンと深緑はどう使い分ければよいですか?
ミントグリーンは背景全面に敷いても圧迫感が出にくく、上品さや親しみやすさを演出したいときに向いています。深緑・森グリーンはビジュアル全体の主役として使うと安心感や信頼感を強く打ち出せます。今回の事例では、便せんや工芸品の紹介ページはミントグリーン、心理療法や循環葬など安心を伝えたいサービスは深緑という傾向が見られました。
グリーンとほかの色を組み合わせるときの注意点はありますか?
濵田酒造チルグリの事例のように、グリーンとピンクなど対比の強い色を組み合わせる場合は、左右や上下でエリアを分けて役割をはっきりさせると効果的です。中途半端に混ぜると訴求点がぼやけるため、どちらの色がどの情報を担当するかを先に決めてからレイアウトに落とし込むとよいでしょう。
グリーン系サイトを作るときに気をつける実装上のポイントは?
ギャラリー形式やコラージュ写真を多用するデザインは画像点数が増えやすく、表示速度に影響します。背景色の面積が広いページはPNG・JPEGの圧縮設定と合わせて、画像の遅延読み込みを実装しておくと表示速度の悪化を防げます。
グリーン系の配色は誰が採用を検討すべきですか?
コーポレートサイトやブランドサイトのトーン&マナーを決める段階のWebデザイナー・ディレクターが対象です。特に「安心感を出したいが冷たくしたくない」「自然派のブランドイメージを伝えたい」といった要望がある案件では、今回紹介したトーン別の使い分け(ミントグリーン・深緑・ビビッドグリーン)を出発点にすると検討がスムーズです。
まとめ
グリーン系の配色は、ミントグリーン・深緑・ビビッドグリーンのどのトーンを選ぶかで与える印象が大きく変わります。今回紹介した8事例はいずれも、色そのものだけでなくコピーやビジュアルとの組み合わせ方によって「上品さ」「安心感」「若々しさ」を作り分けていました。配色を検討する際は、まず伝えたい印象を1つに絞り、そこから逆算してトーンを選ぶ進め方が失敗しにくいでしょう。
