この記事の対象: コーポレートサイトやLPの配色を検討しているWeb担当者・デザイナー
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ベージュは「主張しない色」に見えて、実は業界や目的によって効き方がまったく変わる色です。医療・美容・金融・ホテルなど、信頼感や上質さを重視する業界のサイトで採用されるケースが目立ちます。本記事では実例を挙げながら、どの場面でベージュを選ぶべきかを解説します。
ベージュがWebデザインで選ばれる理由

ベージュは白ほど無機質にならず、かつ主張しすぎない中間色です。彩度を落とした暖色系のため、画面越しでも「柔らかさ」「温度感」「安心感」を伝えやすく、次のような場面で選ばれやすい傾向があります。
- 病院や医療サイトで、清潔感を保ちながら堅さをやわらげたいとき
- 美術館や展覧会サイトで、作品の色を邪魔せず引き立てたいとき
- ホテルや旅館サイトで、ホスピタリティや落ち着きを演出したいとき
- 採用サイトで、企業の堅さより親しみやすさを先に見せたいとき
- ブランド・コレクター向けサイトで、商品そのものの造形美を主役に立てたいとき
白背景のミニマルデザインが「クリーンさ・スピード感」を伝えるのに対し、ベージュは「時間をかけて丁寧に作られたもの」という印象を与えやすい色です。この違いが、業界の選び方にも表れています。
ベージュが効きやすい業界、効きにくい業界

今回取り上げる8つの事例を見渡すと、医療・ホテル・金融(VC)・ポートフォリオ・コレクターブランドといった、写真や人物、作品そのものを主役に立てたい業界でベージュが選ばれる傾向があります。反対に、速さや躍動感を前面に出したい自動車・スポーツ系のブランドでは、ベージュはやや例外的な選択になります。
ただし例外もあります。後述するスズキ ラパンの事例のように、ブランドの個性が「かわいらしさ」であれば、業界の定石を外してベージュ・パステル系を選ぶ判断も十分に成立します。業界の慣習よりも、そのブランドが何を主役に見せたいかで判断するのが実務的な考え方です。
ベージュが効きやすい
- 医療・ホスピタリティ
- 金融・VC(信頼×親しみ)
- ブランド・コレクター向け
他の色を検討したい
- スポーツ・自動車系
- 速さ・躍動感が主題のブランド
ベージュは「作品・素材・人」を主役に立てたいサイトで選ばれやすい。
事例で見るベージュ系配色の使いどころ

ここからは、実際にベージュを使ったサイトを8件紹介します。それぞれ業界も目的も異なるため、自社のサイトに近い文脈のものを参考にしてください。
スタジオクリップ × キューライスのコラボ雑貨サイト
Find Fun Friendsは、イラストレーター・キューライスとstudio CLIPのコラボ企画ページです。温かみのあるベージュを背地に、鹿・うさぎ・にんじんなどのキャラクターが賑やかに配置されています。at Kitchen、at Living Roomのようにシーン別でアイテムを紹介する構成になっており、購入者が「自分の生活のどこで使うか」を想像しやすい作りです。ベージュが背景に回ることで、脱力系のキャラクターイラストがより目立つ設計になっている点が参考になります。
デライト・ベンチャーズの企業サイト
デライト・ベンチャーズは、ベンチャーキャピタルのコーポレートサイトです。ベージュの落ち着いた背景に、経営陣の写真とイラストを組み合わせたグリッドレイアウトで構成されています。「世界を動かす事業をつくろう。」という力強いコピーにオレンジのアンダーラインを引くことで、控えめなベージュの中に視線を集める仕掛けを作っています。金融・投資系のように堅さが先に立ちやすい業界で、ベージュ×アクセントカラーの組み合わせが信頼感と親しみやすさの両立に効いている例です。
スズキ ラパンの花柄プロモーションサイト
NEW Lapinは、軽自動車のプロダクトサイトでありながら、水彩タッチの花のイラストで画面を埋めた異色のデザインです。バラやカーネーションがパステルカラーで散りばめられ、ベージュ寄りの背景と合わせてフェミニンな世界観を作っています。自動車サイトの多くが「速さ」や「性能」を訴求するのに対し、ラパンは「かわいらしさ」というブランド軸を優先しており、業界の常識に寄せずに配色を決めた好例です。
グローカリーホテル建屋のブランドサイト
Glocally Hotel TATEYAは、ベージュの柔らかい背景に、雲から顔を出すキャラクターイラストを配したホテルのブランドサイトです。ローディング画面の段階からキャラクターの個性を見せることで、コンテンツを開く前から宿泊体験への期待感を高めています。ホテル・旅館業界でベージュが選ばれるのは、写真や空間そのものの色を主役にしたいという意図に加え、こうした「待ち時間」までブランド体験に変える工夫と組み合わせやすいためです。
勅使川原真衣の公式サイト
勅使川原真衣氏の公式サイトは、手書き風の文字が渦を巻くように配置された、ポートフォリオ系サイトの中でも独特なビジュアルを持っています。中央のネイビーの抽象イラストと、右サイドのオレンジの縦帯が、ベージュの背景の上でしっかり視線を引く配置になっています。ベージュを土台にすることで、他の色を乗せたときの主張を強めやすいという使い方が確認できる事例です。
大野記念病院の採用サイト
大野記念病院 採用サイトは、病院をモチーフにしたイラストが画面中央に描かれ、建物の断面から職員の日常が見える構図になっています。ベージュの柔らかな背景に水色のロゴをアクセントとして置くことで、医療機関にありがちな堅さを払拭しています。採用サイトは「働く人の顔」を見せることが重要ですが、写真ではなくイラストと組み合わせることで、より親近感を出しやすくしている点が特徴です。
眼鏡市場「まだ老眼じゃないポータル」
まだ老眼じゃないポータルは、老眼という少しデリケートなテーマを、ベージュの背景とイラストで親しみやすく見せているプロモーションサイトです。虫眼鏡や目薬など、テーマに関連するモチーフをイラストで散りばめ、下部のティッカーテキストでリズムを加えています。健康・医療系の情報サイトが硬くなりすぎないよう、ベージュとイラストを併用してポップさを出す手法として参考になります。
フィギュアブランドMIMEYOI
MIMEYOIは、淡いクリームイエロー寄りの背景に余白を大きく取ったブランドサイトです。フィギュアという造形物の美しさを主役に立てるため、背景色を控えめにし、コレクター向けの上質感を余白設計で演出しています。ブランドサイトでベージュ・クリーム系を使う場合、色そのもので語るのではなく「引き算」として使う考え方が表れている事例です。
ベージュ配色の具体的な組み方

実例からわかるように、ベージュは単色で完結させるより、アクセントカラーとの組み合わせで印象が決まります。用途別の考え方を整理します。
| 目的 | ベージュの使い方 | 相性の良いアクセント |
|---|---|---|
| 写真・作品を主役にする | ベージュを背景・余白に限定 | モノトーン、写真内の色そのまま |
| 温かみ・親近感を出す | ベージュ+イラスト全面 | 水色、淡いオレンジ |
| 信頼感と親しみを両立 | ベージュを基調に少量のアクセント | オレンジ、ネイビー |
| 高級感・上質さを出す | クリーム寄りの淡いベージュ+余白 | ゴールド、ダークブラウン |
ベージュはRGBで言えば黄み寄りのグレーに近い色で、彩度を上げすぎると「くすんだ黄色」に見えてしまう点に注意が必要です。文字色は黒ではなくダークブラウンやダークグレーを使うと、背景との馴染みが良くなります。
配色だけでなく、情報の並べ方自体も世界観を左右します。3カラムのグリッドで作品や商品を整列させたい場合は、3カラムデザインはもう古い?2026年の使いどころと組み方も合わせて検討すると、配色とレイアウトの両方から世界観を作り込めます。
制作を外部に依頼する場合、色やレイアウトの好みを先に整理しておくと発注がスムーズです。依頼内容の整理方法はホームページ依頼内容のまとめ方|見積比較テンプレートにまとめています。補助金を使った制作を検討している場合は、補助金でホームページを作る申請スケジュールと順番も申請前に確認しておくべき内容です。
よくある質問

ベージュ系のWebデザインはどんな業界に向いていますか?
今回紹介した事例を見ると、医療・ホテル・金融(VC)・ポートフォリオ・ブランド/コレクター向けサイトなど、写真や作品、人物といった「素材」を主役にしたいサイトで選ばれる傾向があります。
ベージュだけだと単調になりませんか?
単色で使うと単調になりやすいため、実例の多くはオレンジや水色、ネイビーなど1色のアクセントカラーを組み合わせています。ベージュを背景・余白に限定し、アクセントを情報の要点に絞って置くのがバランスの取り方です。
スポーツや自動車などのブランドにベージュは向きませんか?
向かないとは言えませんが、速さや躍動感を主題にするブランドでは、ベージュより彩度の高い色が選ばれる傾向にあります。ただしスズキ ラパンのように、ブランドの個性が「かわいらしさ」であれば、業界の定石を外してベージュ・パステル系を選ぶ判断も成立します。
ベージュと相性の良い文字色は何ですか?
黒よりもダークブラウンやダークグレーの方が背景と馴染みやすく、硬すぎない印象になります。コントラスト比は最低でもWCAGのAA基準(4.5:1)を満たすよう、実装時に必ず確認してください。
ベージュ以外に検討すべき近い色はありますか?
クリームイエローやアイボリー、ライトブラウンはベージュに近い印象を保ちながら、明度や黄みの強さで微妙にトーンを変えられます。MIMEYOIの事例のように、コレクター向けの上質感を出したい場合はベージュよりもクリーム寄りの色を選ぶと、より柔らかい印象になります。
まとめ
ベージュは「何色にでも合わせやすい無難な色」ではなく、素材や写真、人物を主役に立てたい業界で選ばれている配色です。医療・ホテル・金融・ポートフォリオ・ブランドといった今回の事例は、いずれも「色で語るより、コンテンツで語りたい」という共通の意図を反映しています。自社サイトの目的が「主張」なのか「引き立て役」なのかを先に定め、その上でベージュを採用するかどうかを判断すると、配色選びで迷いにくくなります。
