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Web制作の契約書で確認すべきポイント|トラブルを防ぐ10項目

この記事の対象: 制作会社と契約する前の担当者
読了時間: 約7分

Web制作を外注する際、「契約書の内容をよく確認しないまま署名してしまった」というケースは意外と多いものです。契約書の確認不足は、著作権トラブルや追加費用の発生、さらには制作途中でのプロジェクト頓挫の原因にもなります。

この記事では、Web制作の契約書で確認すべき10項目と、特に注意が必要な「著作権」の話、よくあるトラブル事例を解説します。


Web制作の契約書で確認すべき10項目

①納品物の定義(何が納品されるか)

「ホームページ一式」のような曖昧な記載では不十分です。具体的に何が納品されるのかを明確にしましょう。

確認すべき内容: デザインデータ(Figma/PSD)、HTMLファイル、WordPressテーマ、画像素材、マニュアル、サーバー設定情報

②著作権の帰属(最重要)

制作物の著作権が発注者と制作会社のどちらに帰属するかを確認します。次のセクションで詳しく解説します。

③修正回数の上限

デザインやコーディングの修正が何回まで無料で対応されるかを確認します。「修正無制限」を謳う制作会社もありますが、回数制限がある場合は2〜3回が一般的です。

④追加費用が発生する条件

どのような場合に追加費用が発生するかを明確にしておきます。追加費用のトラブルについては「Web制作で追加費用が発生するケースと防ぎ方」をご覧ください。

⑤納期と遅延時の対応

納品予定日だけでなく、遅延した場合のペナルティや対応方針も記載されているか確認します。発注者側の素材提供が遅れた場合の扱いも重要です。

⑥検収条件(何をもって完了とするか)

「検収完了」の定義を明確にします。検収期間(通常2週間〜1ヶ月)と、検収中に発見された問題への対応範囲を確認しましょう。

⑦支払い条件(着手金/中間金/残金)

支払いのタイミングと金額配分を確認します。一般的なパターンは以下の通りです。

パターン 着手時 中間 納品時
2回払い 50% 50%
3回払い 30% 30% 40%

⑧秘密保持(NDA)

制作過程で共有する社内情報(事業戦略、顧客データ等)の取り扱いについてです。NDAが契約書に含まれていない場合は、別途秘密保持契約の締結を検討しましょう。

⑨解約条件

プロジェクトを途中で中止する場合の条件です。すでに完了した作業分の費用精算方法と、制作途中のデータの取り扱いを確認します。

⑩保守・運用契約の内容

制作後の保守・運用がセットになっている場合、その内容と費用を確認します。保守の詳細は「ホームページの保守・運用費用の相場」をご覧ください。


特に注意すべき「著作権」の話

著作権は、Web制作の契約で最もトラブルになりやすい項目です。

ソースコードの著作権

HTMLやCSS、JavaScriptなどのソースコードの著作権です。「納品後はクライアントに譲渡」が発注者にとって理想的です。制作会社に著作権が残る契約の場合、サイトのリニューアル時に他社に依頼できなくなる可能性があります。

デザインデータの著作権

Figmaなどのデザインデータの著作権です。ソースコードと同様に、納品後の譲渡が望ましいです。

写真素材の著作権

撮影を制作会社に依頼した場合、写真の著作権がカメラマンや制作会社に残るケースがあります。写真の二次利用(パンフレット、SNS等)ができるかを確認しましょう。

「著作権を渡してくれない制作会社」への対処法

  • 契約前に著作権の帰属を交渉する
  • 譲渡が難しい場合は「独占的利用許諾」を得る
  • 著作権譲渡の費用が別途かかる場合は見積もりに含めてもらう

契約前に確認すべきチェックリスト

以下の10項目をチェックリストとして活用してください。

  • [ ] 納品物のリストが具体的に記載されている
  • [ ] 著作権が発注者に帰属する(または利用条件が明確)
  • [ ] 修正回数の上限が明記されている
  • [ ] 追加費用の発生条件が明記されている
  • [ ] 納期と遅延時の対応が記載されている
  • [ ] 検収条件と検収期間が明確
  • [ ] 支払い条件とスケジュールが記載されている
  • [ ] 秘密保持条項がある(またはNDAを別途締結)
  • [ ] 解約条件と費用精算方法が明記されている
  • [ ] 保守契約の内容・費用が明確(セットの場合)

トラブル事例と対処法

事例: 制作途中で制作会社が倒産した

制作費の着手金を支払った後に制作会社が倒産し、サイトが完成しないまま制作費が回収できなくなったケース。

対処法: 支払いを複数回に分け、制作の進捗に応じて支払う契約にする。また、途中までの制作物の引き渡し条件を契約に含める。

事例: 著作権の認識が違っていた

完成したサイトを別の制作会社でリニューアルしようとしたところ、前の制作会社が「著作権はうちにある」と主張し、ソースコードの引き渡しを拒否されたケース。

対処法: 契約書に著作権の帰属を明記する。口頭の約束は証拠にならないため、必ず書面に残す。

事例: 追加費用の請求でトラブルに

「ページ追加は別料金」と契約書に記載があったにもかかわらず、発注者がそれを認識しておらず、追加費用の請求でトラブルになったケース。

対処法: 契約書を隅々まで確認し、不明点は契約前に質問する。発注の流れについては「ホームページ制作の発注の流れ」も参考にしてください。


まとめ

Web制作の契約書で確認すべきポイントをまとめます。

  • 著作権の帰属が最重要項目。必ず書面で明確にする
  • 納品物・修正回数・追加費用の条件を具体的に確認
  • 支払いは複数回に分割し、進捗に応じて支払う
  • 不明点は契約前に必ず質問する
  • 10項目のチェックリストを活用して漏れを防ぐ

契約書の確認は面倒に感じますが、トラブルを防ぐための最大の保険です。