リニューアルガイド

ECサイト・オンラインショップの参考事例8選|構成パターンと費用感

この記事の対象: 自社ECサイトのリニューアルや新規開設を検討している事業担当者
読了時間: 約9分

「自社の商品ページ、なんだか説得力がない気がする」「制作会社に見積もりを頼んだら、参考サイトを聞かれて答えに詰まった」——ECサイトの発注担当者が最初につまずくのは、実はデザインの好き嫌いではなく「何を基準に良し悪しを判断すればいいか分からない」ことです。

この記事では、Soreiine!!ギャラリーに掲載されたEC・オンラインショップの実例をもとに、構成のパターンとコスト感を整理します。同じ「ECサイト」でも、特集ページ型・通販サイト型・ブランドサイト型で作り方も費用もまったく違います。発注前にこの違いを知っておくと、制作会社との会話が驚くほどスムーズになります。


ECサイトのデザインは「型」で見ると理解しやすい

ECサイトのデザインは「型」で見ると理解しやすい

ECサイトの見た目を語るとき、多くの人は色やフォントの話から入りがちですが、発注者が本当に押さえるべきは「レイアウトの型」です。型が違えば、必要なページ数も、撮影コストも、制作期間も変わってきます。

今回集めた実例を見ると、大きく3つの型に分かれています。

型 特徴 向いている商材
特集ページ型 トップページとは別に、キャンペーンやコラボ専用の1枚ページを作る アパレル・雑貨・ギフト商材
通販サイト型 商品一覧・カート・購入導線を備えたECサイト本体 食品・定番商品の継続販売
ブランドサイト型 世界観の演出を優先し、購入導線は控えめに配置する D2Cアパレル・こだわり系ブランド
ECサイトの3つの型と目的の違い

特集ページ型・ブランドサイト型

  • 世界観の演出を優先
  • 短期キャンペーンやコラボに強い
  • 購入以外の目的(ファン化)も持てる

通販サイト型

  • 購入導線の使いやすさを優先
  • 常設ページとして育てていく
  • ナビゲーションの分かりやすさが命

この図が示すのは、「かわいいから」「かっこいいから」という理由だけでデザインを選ぶと、目的とズレる可能性があるということです。まずは自社のEC施策が「短期の話題作り」なのか「長く使われる購入導線」なのかを決めてから、参考サイトを探すのが正しい順番です。


特集ページ型の実例|世界観で商品を語る

特集ページ型の実例|世界観で商品を語る

特集ページ型は、通常の商品一覧ページとは別に、キャンペーンや限定コラボのためだけに作る1枚もののページです。トップページのテイストに縛られず、その企画だけの世界観を自由に作れるのが最大の利点です。

フェリシモ「100枚便せん特集ページ」

フェリシモの100枚便せん特集ページは、ミントグリーンの背景にアンティーク調のカードを散りばめた、上品で華やかなつくりのページです。100種類すべて柄が違う便せんという商品特性を、ギャラリーのようなグリッドレイアウトでずらりと並べて見せているのが秀逸です。文字だけで「100種類あります」と説明するより、実際に敷き詰めて見せたほうが一目で伝わる、という判断が徹底されています。

ページ中央にはSNSシェア用のモーダルも用意されており、「見て楽しいページを作って拡散を狙う」というマーケティング設計まで一体になっています。文房具好き・アート好きという明確なターゲットに向けて、コピーからビジュアルまで一貫させている点も参考になります。

ノラネコぐんだん×studio CLIP コラボページ

人気絵本キャラクターとstudio CLIPのコラボページは、イエローを基調にキャラクターたちが画面を駆け回る、賑やかで楽しい構成です。中央にはノラネコ柄のブランケットに包まれた親子の写真を置き、「こんな風に使える」という生活シーンを自然に見せています。

右サイドにはStory・Lineup・Aboutといったコンテンツが円形アイコンで整理されており、賑やかな見た目のわりに迷わず回遊できる設計になっています。パン柄の装飾など原作の世界観を細部まで再現している点も、キャラクターコラボにおける「ファンをがっかりさせない」姿勢の表れです。

らんま1/2 限定コラボグッズページ

フェリシモによるらんま1/2の限定コラボページは、鮮やかな赤背景に「伝説の喜劇的通販へようこそ!」という縦書きコピーが目を引く一枚です。特に面白いのが、画面上下に流れる「LOADING…」のティッカー演出。読み込み待ちの時間さえも、ファンのワクワク感を高める仕掛けに変えています。

このように、コンセプトが強い商材ほど「待たせる時間」や「見せる順番」までデザインの一部として扱うと、ページ全体の説得力が上がります。

ゴールドウイン「感謝ギフト特集」

THE NORTH FACEなどを展開するゴールドウインのギフト提案ページは、クリスマスツリーやプレゼントボックスを配したスタイリング写真を3カラムのグリッドで並べています。ネイビーの帯に「Thanks to」のタイポグラフィを重ね、「パートナーへ、自分へ、そして子どもたちへ」というコピーでターゲットを明確に絞り込んでいます。

商品単体の写真ではなく、生活シーンの中に置いて見せる手法は、ギフト需要を掘り起こしたい特集ページで特に効果的です。


通販サイト型の実例|買いやすさを支える設計

特集ページとは対照的に、通販サイト本体では「見た目の派手さ」より「迷わず買える」ことが優先されます。ここでの参考ポイントは装飾ではなく、ナビゲーションの設計や情報の見せ方です。

治一郎バウムクーヘン公式通販サイト

治一郎の公式オンラインショップは、キッチンカウンターに置かれたバウムクーヘンの写真をフルスクリーンで見せることから始まります。自然光を活かした撮影で素材感と美味しさが伝わり、花を添えた構図が贈り物としての価値も自然に感じさせます。

派手な演出はほとんどありませんが、ナビゲーションはシンプルに上部へまとめられており、「世界観の演出」と「買い物のしやすさ」を両立させている好例です。食品ECにおいて、写真のクオリティがそのまま購買意欲に直結することがよく分かります。

URBAN RESEARCH|404ページにまでブランドを通す

URBAN RESEARCHオンラインストアは一見地味に思えるかもしれませんが、実は見るべきところがあります。存在しないページにアクセスした際の404エラーページで、白背景にブランドロゴとブラウンのカラーを保ったまま、トップページへの導線をシンプルに提示しているのです。

404ページは軽視されがちですが、ここでブランドの世界観が崩れると「安っぽいサイト」という印象を持たれかねません。エラーページまで手を抜かない設計は、ECサイト全体への信頼感を底上げします。発注時に見積もり項目として見落としやすい部分なので、要件定義の段階で「エラーページのデザインも含めるか」を制作会社に確認しておくとよいでしょう。


採用サイトの参考事例8選|構成とデザインのポイント

ブランドサイト型の実例|買わせるより惹きつける

ブランドサイト型の実例|買わせるより惹きつける

ブランドサイト型は、購入ボタンよりも先に「このブランドを好きになってもらう」ことを狙う構成です。D2Cアパレルや、こだわりの強い商材との相性がよい型です。

フェリシモ「かわいいCHEERS YOU UP!」特集

フェリシモのかわいい雑貨特集ページは、ピンクを基調に、パンダのぬいぐるみや靴下を持つモデルの写真を配置しています。左カラムにビジュアル、右カラムにメニュー一覧という構成をとり、「今日は誰とバディを組もうかな」といった親しみやすいコピーで購買意欲を刺激しています。

サイドに繰り返し表示される「かわいいCHEERS YOU UP!」というテキストがブランドメッセージを補強しており、ページを流し読みしても印象が残る作りになっています。

アパレルブランドkittoi

「みんなにいいが、きっとある。」がコンセプトのkittoiは、窓辺にかけられた白いワンピースの写真をメインビジュアルに据えています。自然光とオレンジの壁が生活感のある温かみを演出し、手書き風のロゴが柔らかなブランドイメージを支えています。

お知らせ欄には完売情報も載っており、あえて隠さず見せることで人気の高さが伝わる仕掛けになっています。ブランドサイト型は情報量を絞るぶん、こうした細部の見せ方が全体の印象を大きく左右します。

特集ページ制作の主なステップ
企画・ターゲット設定誰に何を伝えるかを先に固める
撮影・素材準備生活シーンや使用シーンの写真を用意
デザイン・実装グリッドやカラーで世界観を統一
拡散設計SNSシェアなど回遊・拡散の導線を組み込む

特集ページは「作って終わり」ではなく、最初から拡散されることを前提に設計するかどうかで成果が変わります。企画段階でSNS連携の要否を決めておくと、後からの手戻りを防げます。


発注前に整理しておきたいコスト感

ECサイトの制作費は「何を作るか」で大きく変わります。ここでは金額そのものより、判断の目安になる条件を整理します。

  • 特集ページ1枚(LP形式)の追加: 既存の通販サイトに、キャンペーン用の1枚ページを追加するだけなら、既存デザインのテンプレートを流用できるぶん、フルリニューアルよりも費用を抑えやすい構成です。撮影を新規で行うかどうかがコストの分かれ目になります。
  • 通販サイト本体の新規構築: 商品数・決済方法・在庫連携の有無によって工数が大きく変わります。ShopifyなどのECプラットフォームを使うか、フルスクラッチで作るかでも見積もりの前提が変わるため、複数社に同じ条件で見積もりを依頼することが重要です。
  • ブランドサイト型の世界観演出: 写真・イラストなどのビジュアル制作費が全体コストの大きな割合を占めます。撮影を外部カメラマンに依頼するか、既存素材を活用するかで差が出ます。

いずれの場合も「テンプレート利用の5ページ構成なら」「フルオーダーのデザインなら」というように、条件をそろえて比較することが、相見積もりで失敗しないコツです。同じ「ECサイト制作」という依頼でも、ページ数・撮影の有無・カスタマイズ範囲といった前提条件がそろっていなければ、会社ごとの金額差は大きく開くことがあります。

ECサイトのカート機能やカスタマイズを実際に実装する際は、Shopifyを使うケースが増えています。カート周りの挙動を細かく調整したい場合は、こちらの実装ガイドも参考になります。

Shopify カート ドロワー カスタマイズ完全ガイド|追従と再計算の実装


まとめ

ECサイトの参考事例を探すときは、見た目の好みより先に「特集ページ型」「通販サイト型」「ブランドサイト型」のどれを作りたいのかを決めることが近道です。型が決まれば、必要な撮影量・ページ数・デザインの方向性が自然と絞り込まれ、制作会社への発注内容も具体的になります。

今回紹介したフェリシモや治一郎、kittoiの実例は、それぞれ狙いが異なるからこそデザインの作り方も違いました。「自社はどの型に近いか」を軸に、気になったサイトのURLを制作会社に見せながら相談すると、認識のズレが起きにくくなります。

ECサイトの構成や見積もりの進め方で迷ったら、具体的な条件を整理したうえで無料相談を利用するのもひとつの方法です。


よくある質問

ECサイトの特集ページと通販サイト本体、どちらから作るべきですか?

まず通販サイト本体の購入導線を整えるのが優先です。特集ページは商品を魅力的に見せる補助的な役割なので、購入までの導線がすでに整っている場合に効果を発揮します。導線が未整備のまま特集ページだけ作っても、購入につながりにくくなります。

ECサイトのデザインを依頼するとき、何を参考サイトとして見せればよいですか?

「色が好き」だけでなく、「このサイトはナビゲーションが分かりやすい」「このページは世界観の演出が強い」など、どの要素を参考にしたいかを具体的に伝えると、制作会社との認識合わせがスムーズになります。この記事の3つの型を使って伝えると誤解が減ります。

特集ページはトップページと別デザインにしてもよいのですか?

問題ありません。むしろキャンペーンやコラボ企画では、通常のトップページとは異なるテイストで作ることで話題性を出しやすくなります。ただしロゴやブランドカラーなど、最低限の識別要素は残しておくと、どのブランドの企画か伝わりやすくなります。

ECサイトの制作費が会社によって大きく違うのはなぜですか?

見積もりの前提条件がそろっていないことが主な原因です。ページ数・撮影の有無・カスタマイズの範囲・使用するプラットフォームが会社ごとに異なると、同じ「ECサイト制作」でも金額は大きく変わります。複数社に依頼する際は、要件を文書化してから見積もりを依頼すると比較しやすくなります。