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グリッドレイアウトのWebデザイン実例9選|向いているレイアウトの作り方

この記事の対象: Webサイトのレイアウト設計を検討しているデザイナー・ディレクター
読了時間: 約9分

写真や記事が多数あるサイトで、整列感とランダム感のバランスをどう取るか迷うことは多いです。グリッドレイアウトは「情報量の多さ」と「見た目の整然さ」を同時に成立させる手段として、EC・メディア・企業サイトまで広く使われています。この記事では実例9件を手がかりに、グリッドが向いているケースと実装時の注意点を整理します。


グリッドレイアウトとは何か、なぜ選ばれるのか

グリッドレイアウトとは何か、なぜ選ばれるのか

グリッドレイアウトは、画面を縦横の格子状に分割し、その枠に写真やコンテンツを均等または規則的なルールで配置する手法です。CSSで言えば display: grid や display: flex を使ったカード・タイル配置がこれにあたります。

選ばれる理由はシンプルです。商品や記事の数が多いとき、1件ずつ違うレイアウトを組むのは非効率ですし、見る側にとっても「どこを見ればいいか」が分かりにくくなります。グリッドは枠の大きさと間隔を先に決めてしまうことで、コンテンツの量が増減してもレイアウトが崩れにくいという利点があります。

一方で、「整然としすぎて個性が出にくい」という弱点も持ちます。そこを写真のクオリティや配色、装飾の工夫でどう補っているかが、実例を見るときのポイントになります。


実例9選|業種別に見るグリッドレイアウトの使われ方

実例9選|業種別に見るグリッドレイアウトの使われ方

ECサイト・特集ページでの使われ方

フェリシモ「100枚便せん特集ページ」(https://www.felissimo.co.jp/contents/100letterpaper/100letterpaper_fc.html)は、ミントグリーンの背景にアンティーク調のカードビジュアルをギャラリー風のグリッドで並べた特集ページです。100種類すべて柄が異なるという商品特性を、1枚ずつ比較しながら見せるにはグリッド以外の選択肢がほぼありません。「100 LETTER SHEETS FOR WRITERS & ART LOVERS」というコピーで文房具好き・アート好きという対象を絞り込み、SNSシェアを促すモーダルも用意されていて、拡散設計まで含めて作られている点が参考になります。

ゴールドウイン「感謝ギフト特集ページ」(https://www.goldwin.co.jp/store/contents/thanksto/2025part1/)は、THE NORTH FACEなどのアウトドアウェアをギフトとして提案するページです。クリスマスツリーやプレゼントボックスを添えたスタイリング写真を3カラムのグリッドで並べ、商品単体ではなく「生活シーンの中にある状態」を見せています。ネイビーの帯に重ねた「Thanks to」のタイポグラフィと、「パートナーへ、自分へ、そして子どもたちへ」というコピーで贈る相手を具体的に描いているのも特徴です。

クレヨンしんちゃんの日本製Tシャツ(https://crayonshinchan-japancrafts.jp/)は、整列したグリッドではなく、白背景に写真をランダムに浮かせるように配置するレイアウトを採っています。家族やカップルが着用するシーンを温かく切り取り、キャラクターグッズをライフスタイル提案として見せています。余白を広く取ることで、ランダム配置でも散らかった印象にならず、むしろ高級感を演出できている点が工夫どころです。グリッドは「厳密な格子」だけでなく、このような余白主導のゆるい配置にも応用できることが分かります。

コラボレーション・企業サイトでの使われ方

ノラネコぐんだん × studio CLIP(https://www.dot-st.com/studioclip/cp/sc2025noranekogundan)は、イエローを基調にキャラクターのイラストが画面中を駆け回る賑やかなページです。中央には商品を使用した親子の写真を置き、右サイドにはStory・Lineup・Aboutといったインデックスを円形アイコンで配置して回遊性を確保しています。パン柄のアイコンなど原作モチーフを装飾に落とし込むことで、キャラクターコラボにふさわしい世界観の再現度を高めています。

デライト・ベンチャーズ(https://www.delight-ventures.com/)は、ベンチャーキャピタルの企業サイトです。「世界を動かす事業をつくろう。」というコピーをオレンジのアンダーラインで強調し、ベージュの落ち着いた背景に人物写真とイラストをグリッドで組み合わせています。Vision・Venture Investmentなどのセクションをカード型で並べて事業内容を一覧しやすくしつつ、代表者の写真を大きく見せることで経営陣の顔が分かる透明性を出しています。企業サイトでグリッドを使う場合、「信頼感」と「親しみやすさ」の両立が設計上のテーマになることが多く、このサイトはその典型例です。

メディア・ポータルサイトでの使われ方

カルチャーWebマガジンBeyond(https://www.beyondmag.jp/)は、白基調の背景にカード型の特集記事を横並びで展開するポータルサイトです。「ウィッシュリスト」「演劇入門」「多摩と動詞」といった多彩な記事のサムネイルをカラフルに配置し、写真とイラストを織り交ぜたエディトリアルデザインで文化的な深みを持たせています。

球場グルメを楽しむスポーツメディア(https://ballparkstyle.com/)は、鮮やかなブルーの背景にローストビーフやエビカニロールなどの写真を3カラムのグリッドで並べています。「Pick up!」のステッカー風あしらいと手書き風ロゴで親しみやすさを出し、野球観戦を「食」の切り口から伝えるという企画意図がレイアウトにも表れています。写真のクオリティが高いほどグリッドは効果を発揮しやすく、このサイトはその好例です。

名古屋のシティガイド(https://yourcityisgood.com/nagoya/)は、グルメ・カルチャー・ライフスタイルの記事をグリッドで一覧表示するシティメディアです。FOOD & DRINK、ART、LIFESTYLE、MUSICとカテゴリを明確に分け、エリア別のフィルタリングも備えています。緑のアクセントカラーが都会的でフレッシュな印象を与え、カテゴリとエリアという二軸のナビゲーションが使いやすさを支えています。


9サイトから見える、グリッドが向いているケースの整理

9サイトから見える、グリッドが向いているケースの整理

9件を並べると、グリッドレイアウトが選ばれる場面には共通点があります。

グリッドレイアウトが向いているケースの整理

同種のコンテンツを多数見せたい

  • 商品バリエーション(100枚便せん)
  • 特集記事の一覧(Beyond・名古屋シティガイド)

商品を使用シーンで見せたい

  • ギフト提案(ゴールドウイン)
  • キャラクター着用シーン(しんちゃんTシャツ)

カテゴリが複数ある

  • 球場グルメ・シティガイドのカテゴリ分け

この図から読み取れるのは、「コンテンツの数が可変」「写真やカードの比較を見せたい」という条件が重なるときにグリッドが選ばれやすいということです。逆に、単一のストーリーを順番に読ませたいLPのような構成では、スプリットレイアウトの作り方のような別の手法が向くケースもあります。


実装するときに気をつけたい3つのポイント

実装するときに気をつけたい3つのポイント

カラム数のブレイクポイントを先に決める

グリッドはCSSの grid-template-columns で何カラムにするかを指定しますが、PCで3〜4カラムのまま縮小するとスマホで文字や写真が潰れます。球場グルメメディアのように3カラムで組んでいるサイトも、スマホでは1〜2カラムへ落とす前提で設計されているはずです。実装前に「PC・タブレット・スマホでそれぞれ何カラムにするか」を決めてから着手すると、途中での組み直しを防げます。

画像の比率をあらかじめ統一する

グリッドの見た目の整然さは、画像のアスペクト比が揃っているかどうかに大きく依存します。フェリシモの便せん特集やゴールドウインのギフト特集のように、カードごとに写真の縦横比がバラバラだと、せっかくの格子状の配置が歪んで見えます。CSSの aspect-ratio プロパティで比率を固定し、object-fit: cover で切り出す方法が一般的です。

画像枚数が多いページは読み込み速度に注意する

グリッドレイアウトは1ページに多数の写真を並べる構成になりやすいため、表示速度が落ちやすい弱点があります。特にECの特集ページや観光メディアのようにビジュアル重視のサイトでは、画像の遅延読み込み(loading="lazy")や次世代フォーマットへの変換が欠かせません。この点は旅行サイトの事例でも詳しく扱っています。


グリッド以外の選択肢との比較

グリッド以外の選択肢との比較

グリッドが万能というわけではありません。コンテンツの性質によっては、別のレイアウトのほうが伝わりやすいこともあります。

グリッドレイアウトと順番訴求型レイアウトの比較

グリッドレイアウトが向く

  • 商品バリエーションが多い
  • 記事やカードを比較・選ばせたい
  • カテゴリが複数あり回遊させたい

順番訴求型(スプリット等)が向く

  • 単一商品・サービスをストーリーで伝えたい
  • 1つの訴求を順に読ませたい
  • 比較よりも説得を重視したい

「情報を並べて選ばせる」のがグリッド、「順番に読ませて説得する」のが別の手法、という大まかな切り分けを持っておくと、企画段階での判断がしやすくなります。コーポレートサイトやブランドサイトの構成を検討している場合は、こちらの事例集も参考になります。


よくある質問

よくある質問

グリッドレイアウトとフレックスボックスの違いは何ですか

グリッド(display: grid)は縦横両方の軸を同時に制御できるため、格子状の整列に向いています。フレックスボックス(display: flex)は基本的に1方向の並びを制御するもので、カードを横一列に並べて折り返す程度の構成であればどちらでも実現できます。カラムと行を厳密に揃えたい場合はグリッド、要素数が不確定で柔軟に流したい場合はフレックスボックスが扱いやすいです。

グリッドレイアウトはECサイト以外でも使えますか

使えます。今回紹介したBeyond(カルチャーメディア)や名古屋のシティガイド(ポータルサイト)のように、記事一覧やカテゴリ別のコンテンツを見せるメディア系サイトでも広く使われています。写真や記事の「数」が可変で、それらを並べて比較・選択させたい場面であれば業種を問わず有効です。

グリッドレイアウトにすると表示速度は遅くなりますか

レイアウト手法そのものが速度を落とすわけではありません。遅くなる主な原因は、グリッド内に並べる画像の枚数が多く、最適化されていないまま読み込まれることです。遅延読み込みや画像フォーマットの見直しで対処できるケースがほとんどです。

カードの枚数が奇数のときグリッドが崩れませんか

最後の行で余りが出ることはありますが、CSSの grid-template-columns に auto-fill や auto-fit を使う、あるいは余った枠を空白のまま残すデザインにすることで対処できます。あらかじめ「最終行が揃わない場合どう見せるか」を決めておくと実装時に迷いません。


まとめ

グリッドレイアウトは、コンテンツの数が多く比較・一覧させたい場面で特に力を発揮します。今回見た9件は、EC特集・コラボページ・企業サイト・メディアと業種は様々でしたが、いずれも「写真やカードの質」「カラム設計」「装飾による個性づけ」で単調さを回避している点が共通していました。実装段階ではブレイクポイントと画像比率を先に固め、表示速度への配慮を忘れないことが完成度を左右します。