この記事の対象: サイト制作でレッド系の配色を検討しているWebデザイナー・ディレクター
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赤は使い方を誤ると「安っぽい」「攻撃的」に転びやすい色ですが、正しく扱えば強烈な訴求力になります。Soreiine!!ギャラリーの掲載実績からレッド系サイト10件を抽出し、業界分布と印象の違いを分析。特に象徴的な8サイトを実例として詳しく紹介します。
レッド系が選ばれる業界と、その理由
Soreiine!!ギャラリーに掲載されたレッド系サイト10件の業界内訳は次のとおりです。
| 業界 | 件数 |
|---|---|
| WEB・情報サービス | 2 |
| 新聞・出版・書籍 | 1 |
| 自動車・バイク・自転車 | 1 |
| 美容・健康・化粧品 | 1 |
| 飲食・レストラン・カフェ | 1 |
| 動物・ペット | 1 |
| デザイン事務所・制作会社 | 1 |
| ホテル・旅館 | 1 |
| 実店舗・商業施設 | 1 |
WEB・情報サービス系が最も多く、次いでデザイン事務所や制作会社などクリエイティブ職種が続きます。一見「赤=飲食・食品」のイメージが強い色ですが、実際にはクリエイティブ業界での採用が目立ちます。理由は明快で、赤は「主張」「熱量」「挑戦」を視覚的に翻訳しやすい色だからです。コーポレートサイトでロゴや商品を淡々と見せるより、企業の姿勢そのものをぶつけたい場面で選ばれています。
主張・熱量を伝えたい業種
- WEB・情報サービス
- デザイン事務所・制作会社
- 自動車・バイク
伝統・食文化を伝えたい業種
- 飲食・レストラン
- 新聞・出版
世界観の転換に使う業種
- ホテル・旅館
- 美容・健康
同じ赤でも、狙う印象によって隣接色(マゼンタ寄り・オレンジ寄り)の選び方が変わる。
赤単色で使う業界と、オレンジやマゼンタに寄せて使う業界がはっきり分かれるのが今回の実例からも見えてきます。以下、具体的なサイトで見ていきます。
クリエイティブ・情報サービス系:赤で「熱量」を可視化する
メディアプルポのコーポレートサイト
メディアプルポ(掲載ページ)は、鮮烈なマゼンタピンクの背景に「夢中をつくる。夢中でつくる。」というコピーを円形に配置したファーストビューが目を引きます。テレビ番組の制作現場を切り取った写真が画面のあちこちに散りばめられ、メディア制作会社らしい活気とスピード感を演出しています。
見どころは次の3点です。
- マゼンタピンクの大胆な色使いが圧倒的な存在感を放っている
- カメラマンや現場スタッフの写真で映像制作の臨場感を伝えている
- SCROLLの文字を連続配置するインタラクティブな要素が、サイト自体を作品として見せている
コピーを円形に配置する手法は、CSS文字グラデーション実装ガイドで紹介しているグラデーション表現と組み合わせると、さらに動きのある印象に仕上げられます。マゼンタ寄りの赤は「情報系×クリエイティブ」という組み合わせでこそ映える色で、純色の赤よりも親しみやすさが残るのが特徴です。
IMA Inc.の挑戦的なクリエイティブサイト
IMA Inc.(掲載ページ)は、真っ赤な背景に白い手書き風フォントで「今をかきまぜろ。」と大きく表示するファーストビューが特徴です。企業スローガンをそのままビジュアルに昇華させる、非常に潔い構成になっています。
- 赤背景に白文字というシンプルなコントラストがインパクトを最大化している
- スローガンをそのままメインビジュアルにする、言葉の力に振り切ったデザイン
- 手書き風フォントが「挑戦的な姿勢」というメッセージを補強している
装飾を削ぎ落として色とコピーだけで勝負するアプローチは、情報量が多くなりがちなコーポレートサイトにおいて参考になります。赤を主役に据えるなら、脇を固める要素はこれくらい減らしてよい、という好例です。
地方発イノベーションを掲げるデジタル企業
counter-digital(掲載ページ)は、赤とオレンジのグラデーションにグリッドパターンを重ねた、エネルギッシュなコーポレートサイトです。「BUILDING CUTTING-EDGE MODELS FROM LOCAL INNOVATION.」というコピーが、地方発の技術力を力強く宣言しています。
- 赤×オレンジのグラデーションが単色の赤よりも先進性と熱量を両立させている
- グリッドパターンがデジタル企業らしい精密さを視覚的に補っている
- 「地方×イノベーション」という独自ポジションが配色とコピーの両方から伝わってくる
赤単色よりもオレンジへグラデーションさせたほうが、テクノロジー企業らしい先進性を出しやすい傾向があります。純色の赤が「情熱・挑戦」を語るのに対し、赤〜オレンジのグラデーションは「熱量+未来志向」を同時に表現できるのがポイントです。
伝統・食文化を伝える赤:ブランドコンテンツとECでの使い方

らんま1/2コラボグッズ特集ページ
フェリシモのらんま1/2コラボページ(掲載ページ)は、鮮やかな赤背景に「伝説の喜劇的通販へようこそ!」という縦書きコピーを配置した、限定グッズ販売用のLPです。原作キャラクターのイラストとともに、画面上下を流れる「LOADING…」のティッカーテキストが世界観への没入感を高めています。
- 原作の世界観を忠実に再現した赤背景がファンの期待感を高めている
- 縦書きコピーで和のテイストとインパクトを両立している
- ティッカー式のローディング演出という遊び心が秀逸
IP コラボのようなキャンペーンLPでは、赤は「期間限定」「祭り感」を演出する色として機能します。縦書きテキストやローディング演出のような細かな仕掛けは、ホバーアニメーションのCSS実装で解説しているようなマイクロインタラクションの考え方と地続きです。
京鼎樓の小籠包ブランド一覧サイト
京鼎樓(掲載ページ)は、台湾発の小籠包レストランが運営する複数ブランドの一覧サイトです。京鼎樓本店・HANARE・小籠など各ブランドを赤基調のグリッドレイアウトで並べ、店舗写真と特徴を簡潔にまとめています。
- 複数ブランドをグリッドで俯瞰できる構成が整理されている
- 赤基調の配色が台湾料理の伝統と食欲を同時に喚起している
- 各店舗の写真クオリティが高く、料理の魅力を直接的に伝えている
複数ブランド・複数店舗を並べるグリッド構成では、写真の縦横比が揃っていないと一気に雑然として見えます。グリッド全体で統一感を出すにはobject-fitとaspect-ratioで画像の比率を固定する実装が有効です。京鼎樓のサイトも、店舗ごとに撮影条件が違う写真をこの手法で揃えているとみられます。
空間・世界観を転換する赤:ホテル・ペット業界の事例

小松の古民家宿泊施設Komado
Komado(掲載ページ)は、石川県小松市の分散型ホテル「NIPPONIA小松」のサブブランドサイトです。深い赤色のファーストビューの下に、畳と障子の和室写真がのぞく構成になっています。「Explore Komado」というCTAボタンは控えめに配置され、探索心をくすぐる仕掛けとして機能しています。
- 深紅のファーストビューが、次に続く和室写真とのコントラストを際立たせている
- 色彩のコントラストによって古民家の温もりと現代的なデザインを融合させている
- 要素を削ったミニマルな構成が、宿そのものの静けさを裏切らない
宿泊施設のサイトで赤を使う例は多くありませんが、Komadoのように深い赤(臙脂に近いトーン)を選ぶと、朱色の鳥居や伝統建築を連想させ、和の世界観との親和性が生まれます。純粋な原色の赤ではなく、彩度をやや落とした深紅が効いている好例です。
バイオフィリアの生命愛を伝えるサイト
バイオフィリア(掲載ページ)は、ペット関連事業を展開する企業のコーポレートサイトです。鮮やかなオレンジレッドの背景に白いリースロゴと「ともに、しあわせになろう。」というコピーを中央配置した、力強いファーストビューになっています。
- オレンジレッドの配色が温かみと生命力を同時に表現している
- リーフモチーフのロゴが「生命への愛」という企業理念を体現している
- 装飾を絞ったシンプルな構成が、コピーの持つ想いをそのまま伝えている
ペット・生き物を扱う業界で赤を使う場合、純色の赤よりオレンジ寄りに振ったほうが「温かみ」「安心感」を損なわずに情熱を表現できます。この配分の違いが、同じレッド系でも業界ごとの印象の差を生んでいます。
季節ギフトでの赤:クリスマス特集LP

コスメキッチンのホリデー特集ページ
コスメキッチン(掲載ページ)のホリデーシーズン特集LPは、赤と白のストライプを基調に、クリスマスギフトの俯瞰写真を大胆に配置したデザインです。「COSME KITCHEN NOEL」のタイポグラフィにも遊び心があり、スキンケアやボディケアなどカテゴリ別の導線も整理されています。
- 赤白ストライプの配色がクリスマスシーズンらしい華やかさを演出している
- 俯瞰で撮影したギフトビジュアルが商品への期待感を高めている
- カテゴリ別導線が整理されており、目的の商品にすぐ辿り着ける
季節ものの特集LPでは、赤は「限定感」「イベント感」を瞬時に伝えるショートカットとして機能します。年間を通して使う色ではなく、期間限定で切り替える運用が前提になる点が、他の事例との大きな違いです。
配色の使いどころ:印象別の早見表

ここまでの8サイトを踏まえて、レッド系配色の使い分けを整理します。
| 狙いたい印象 | 色の寄せ方 | 向いている業界 |
|---|---|---|
| 熱量・挑戦・主張 | 純色の赤、白文字とのハイコントラスト | クリエイティブ、デジタル企業 |
| エネルギー・先進性 | 赤〜オレンジのグラデーション | IT、テクノロジー系 |
| 華やかさ・親しみ | マゼンタピンク寄り | メディア、情報サービス |
| 伝統・食文化 | 深みのある赤、彩度をやや落とす | 飲食、老舗ブランド |
| 温かみ・生命力 | オレンジレッド | ペット、ヘルスケア |
| 和の世界観 | 臙脂に近い深紅 | ホテル・旅館 |
| 限定感・イベント感 | 赤×白のコントラスト配色 | 季節ギフト、キャンペーンLP |
赤は「情熱の色」とひとくくりにされがちですが、実例を並べると彩度・色相の振れ幅ひとつで伝わる印象がまったく変わることが分かります。単色使いか、白とのコントラストで見せるか、グラデーションで奥行きを出すかも、業界と狙いによって選び分けるべきポイントです。
こうした配色早見表のようなコンテンツをサイト内に持たせる場合、カテゴリごとに折りたたんで見せるとページが長くなりすぎず読みやすくなります。実装方法はアコーディオンをdetails summaryで実装|開閉アニメーション付きの作り方で解説しています。
よくある質問
レッド系のサイトデザインはどんな業界に向いていますか?
クリエイティブ・情報サービス系との相性が特によく、Soreiine!!ギャラリーの掲載実績でも最多です。次いでデザイン事務所や制作会社など、企業の姿勢や熱量を前面に出したい業種で多く採用されています。飲食・ホテルなど伝統や世界観を伝えたい業種でも、深みのある赤や臙脂に寄せる形で使われています。
赤を使うと安っぽく見えるのを避けるにはどうすればいいですか?
純色の赤をそのまま使うより、マゼンタやオレンジに少し寄せる、彩度を落として深みを出す、白との組み合わせでコントラストを整理するといった調整が効果的です。IMA Inc.のように装飾を削ぎ落とし、色とコピーだけで見せる構成も、安っぽさを回避する有効な手法です。
赤とオレンジのグラデーションはどんな場面で使うべきですか?
counter-digitalの事例のように、熱量と先進性を両立させたいテクノロジー企業のサイトに向いています。単色の赤が「情熱・挑戦」を語るのに対し、赤からオレンジへのグラデーションは「熱量+未来志向」を同時に伝えられるのが特徴です。
レッド系の配色は季節限定のキャンペーンLPにも使えますか?
はい。コスメキッチンのホリデー特集のように、赤と白のストライプは「限定感」「イベント感」を瞬時に伝える配色として機能します。年間を通じて使うメインカラーではなく、期間限定で切り替える運用を前提に設計するのがポイントです。
複数ブランドや複数店舗を1つのサイトで見せる場合、赤基調でも整理して見せられますか?
京鼎樓の事例のように、グリッドレイアウトと組み合わせれば可能です。ただし写真の縦横比が揃っていないと雑然と見えるため、画像トリミングの実装で比率を統一しておくことが前提になります。
まとめ
レッド系配色は「情熱・挑戦」という一枚岩のイメージで語られがちですが、実際の掲載事例を見ると、業界と狙いによって色相・彩度・組み合わせる白の分量が細かく調整されています。クリエイティブ業種では純色の赤で主張を、ホテルや飲食では深みのある赤で伝統を、ペット業界ではオレンジレッドで温かみを表現する——この使い分けが、赤を「安っぽい色」から「戦略的な色」に変える分かれ目です。自社サイトに赤を取り入れる際は、伝えたい印象を先に言語化し、そこから色相を逆算する順序で検討することをおすすめします。
