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ホームページのRFP作り方|5日で仕上げる手順と項目【2026年】

この記事の対象: 制作会社への発注準備を任され、RFP(提案依頼書)を初めて自分で作る担当者
読了時間: 約12分

「RFPを作っておいて」と上から言われたものの、何から手をつけていいか分からない。テンプレートを探してダウンロードしてみたけれど、空欄の項目名を見ても自社の何を書けばいいのか判断がつかない——この段階で止まっている担当者はとても多いです。

RFPの「項目」を並べた記事はたくさんあります。ただ、実際に詰まるのは項目を知らないからではなく、どの順番で、誰に聞いて、どこまで決めてから書き始めるかが分からないからです。

この記事では、RFPの「作り方」——つまり着手から完成までの作業手順に絞って解説します。何日かけて、社内の誰を巻き込み、どの情報から埋めていくのか。決まっていない項目をどう書くのか。そして、多くの人が一番苦手とする「参考サイトの提示」をどう突破するのか。

項目ごとの書き方や例文そのものは別記事にまとめてあるので、必要な方はそちらをあわせて見てください。


そもそもRFPを「作る」とは何をすることか

そもそもRFPを「作る」とは何をすることか

書くのは3割、決めるのが7割

RFP作成の作業時間を分解すると、実際に文章を書いている時間はごく一部です。大半は「社内で決まっていないことを決める」時間に消えます。

制作会社のディレクターとして受け取るRFPを見ていると、うまく機能しているRFPには共通点があります。それは文章がうまいことではなく、社内の意思決定がひととおり終わっていることです。逆に、どれだけ体裁の整ったRFPでも「予算は未定」「担当部署は調整中」「公開時期は決まり次第」が並んでいると、制作会社は提案を作れません。

RFP作成にかかる労力の内訳

実際に時間がかかるところ

  • 予算枠の社内合意を取る
  • 公開希望日を経営側と握る
  • 今のサイトの不満を関係部署から集める
  • 誰が窓口になるか決める

思ったより時間がかからないところ

  • 項目立て(テンプレートで足りる)
  • 会社概要の記載
  • 提出形式やスケジュールの記載
  • 文章の推敲

つまりRFP作成は文書作成タスクではなく、社内調整タスクです。ここを取り違えると「Wordに向かって唸る時間」だけが増えます。

完璧なRFPを目指さなくていい

もうひとつ、発注側にあまり知られていないことがあります。制作会社はRFPに空欄があっても提案できます。むしろ、分からないことを「分からない」と書いてあるRFPのほうが、無理に埋めた推測値より扱いやすい。

「月間PVは把握できていません(アクセス解析の設定状況も不明です)」と書いてあれば、制作会社は初回打ち合わせでそこを確認しにいきます。逆に、社内で誰も根拠を知らないPV数が書かれていると、それを前提に提案が組まれて後から全部ズレます。

埋めるべきは次の4つだけです。ここが決まっていれば、残りは空欄でもRFPとして成立します。

必須4項目 決められない場合の書き方
予算枠 「◯◯万円〜◯◯万円の幅で検討」「上限◯◯万円」
公開希望時期 「◯月の展示会に間に合わせたい」と理由ごと書く
窓口担当者 兼務でも1人を明記。決裁者が別なら両方書く
何を解決したいか 1文でよい。「採用応募が集まらない」で十分

5日で仕上げるRFP作成の手順

5日で仕上げるRFP作成の手順

RFP作成を「まとまった時間が取れたらやる」と考えると、いつまでも着手できません。1日1〜2時間ずつ、5営業日に分割するのが現実的です。

RFP作成の5日間の進め方
1日目|現状の棚卸し今のサイトの問題を洗い出す
2日目|社内ヒアリング関係部署の要望を集める
3日目|予算と期日の確定決裁者と枠を握る
4日目|参考サイト集め方向性を言語化する材料を作る
5日目|執筆と社内回覧テンプレに落として確認を取る

図のとおり、実際に文章を書くのは最終日だけです。前の4日で材料が揃っていれば、執筆は2時間ほどで終わります。

1日目|現状の棚卸し

まず今のサイトの何が困っているのかを、具体的な事象として書き出します。「古い」「ダサい」ではなく、誰が、いつ、何をしようとして、どう困ったかの形にします。

  • 営業担当が商談中にスマホでサービスページを見せようとしたが、表が横にはみ出して読めなかった
  • 採用応募者から「募集要項が見つからない」と電話で問い合わせが来ることがある
  • 更新を制作会社に依頼すると数営業日かかるので、期間限定の告知が間に合わない

この形で5〜10個あればRFPの背骨ができます。ここが抽象的なまま進むと、提案も抽象的なものしか返ってきません。

あわせて、今のサイトの管理情報も確認しておきます。ドメインとサーバーの契約名義がどこにあるかは、リニューアル時に必ず聞かれる項目で、かつ調べるのに時間がかかる代表格です。

2日目|社内ヒアリングは「3人まで」に絞る

全部署に要望を聞いて回ると、集まった要望を捌けなくなります。聞くのは次の3者に絞るのが効率的です。

聞く相手 聞くこと 所要
営業・現場の代表1名 顧客からサイトについて何を言われるか 30分
更新作業をしている人 今の更新で何が面倒か 30分
決裁者(役員・部長) このリニューアルで何が達成されたら成功か 30分

決裁者への質問は必ず入れてください。ここを飛ばすと、完成間際に「そもそもこういうサイトを想定していなかった」というひっくり返しが起きます。制作会社の現場感覚として、途中で要件が覆る案件は、決裁者がヒアリングの初期段階に登場していないケースが目立ちます。

聞いた要望はそのままRFPに載せないのがコツです。「トップに動画を入れたい」は手段なので、「なぜそう思ったか」まで掘って目的に変換します。手段で縛ると、制作会社はより良い代案を出せなくなります。

3日目|予算と期日を決裁者と握る

RFPで一番聞かれ、一番書きにくいのが予算です。「金額を書くと足元を見られるのでは」と心配する方がいますが、実務上は逆です。予算を書かないRFPには、制作会社は自社の標準的な規模の提案を返してくるだけで、比較の土俵が揃いません。

予算の書き方は3パターンあります。

書き方 向いている状況 制作会社側の受け取り方
上限額を書く 予算が確定している その範囲で最大を組む。比較しやすい
レンジで書く 幅を持って検討中 下限案と上限案の2本を出しやすい
「提案に応じて検討」 社内で枠がない 提案が散らばり、比較にならない。避けたい

社内に金額の目安がまったく無い場合は、相場記事で当たりをつけてから決裁者に相談すると話が早く進みます。ゼロベースで「いくらですか」と聞くより、「この規模ならこのくらいのようです」と持っていくほうが合意は速い。

期日については、公開希望日だけでなくその日でなければならない理由を書きます。「4月1日公開希望(新年度の採用説明会で配布する資料にURLを載せるため)」とあれば、制作会社は間に合わない場合の代案(採用ページだけ先行公開など)を提案できます。理由が書かれていないと、単に「厳しいです」と返ってくるだけです。

スケジュールに無理があるかどうかを自分で判断したい場合は、工程ごとの所要を知っておくと見当がつきます。

4日目|参考サイトを集める

RFPで最も差がつくのがこの工程です。詳しくは次の章で扱います。

5日目|テンプレートに落とし込み、社内回覧する

材料が揃っていれば執筆は作業です。書き上げたら、必ず2日目にヒアリングした3人に回覧してください。「自分の言ったことがこう解釈されている」を本人に確認してもらう工程で、ここを省くと提案が出そろった後に「その要件は違う」が出ます。

回覧時の依頼文は「修正があれば」ではなく「この解釈で合っているか、○か×で返してください」にすると返信率が上がります。



RFPの「参考サイト」欄を埋める技術

RFPの「参考サイト」欄を埋める技術

なぜここで全員が詰まるのか

RFPのテンプレートには必ず「参考サイト・イメージに近いサイト」という欄があります。そして、ここが空欄か「特にありません」のまま提出されるRFPが非常に多い。

理由ははっきりしています。参考サイトを挙げるには、まず大量のサイトを見なければならないからです。日常業務の合間に競合サイトを10も20も見て回る時間は普通ありません。結果、「なんとなく良さそうな会社のサイト」を2〜3個貼って終わりになります。

ただ、この欄が空だとどうなるか。制作会社はデザインの方向性を推測で決めることになり、初回のデザイン提案が大きく外れます。そこからやり直すと、それだけで工程が数週間戻ることもあります。参考サイト欄に30分かけるほうが、後工程で数週間を失うより圧倒的に安いというのが実務上の結論です。

参考サイトは「好き嫌い」ではなく「理由つき」で挙げる

参考サイトは、URLを貼るだけでは半分しか伝わりません。次の3つをセットにします。

書く内容 記入例
URL (サイトのアドレス)
どこが良いと思ったか 「トップの1画面目でサービス内容が言い切られている」
自社に取り入れたい度合い 「構成を参考にしたい/配色は自社カラーで」

「良いと思ったところ」は、デザインの用語で書く必要はありません。「文字が大きくて読みやすい」「写真より図が多くて分かりやすい」で十分伝わります。むしろ専門用語で書こうとして曖昧になるほうが困ります。

さらに効くのが、嫌いなサイトを1〜2個挙げることです。「この方向性は避けたい」という情報は、好みの情報と同じくらい提案の精度を上げます。社外に見せる文書なので、実在の企業名を挙げるのが気になる場合は「動きが多くて目が疲れるものは避けたい」のように表現でも構いません。

参考サイト欄の書き方の違い

提案が当たる書き方

  • URL+良いと思った理由
  • 取り入れたい範囲を限定
  • 避けたい方向も明記
  • 3〜5サイト

提案が外れる書き方

  • URLだけを羅列
  • 「おしゃれな感じで」
  • 避けたい方向は書かない
  • 1サイトだけ/空欄

図の左側に寄せるだけで、初回デザイン提案の手戻りはかなり減ります。

参考サイトを効率よく集める場所

ゼロから検索して集めるのは非効率です。実務では次の順で当たります。

  1. 自社の競合3社のサイト(業界の作法を把握するため。良し悪しは別)
  2. 自社が顧客として利用している会社のサイト(業種が違ってもよい)
  3. Webデザインギャラリー(方向性の幅を知るため)

3番目のギャラリーが、実は一番短時間で済みます。Soreiine!!のギャラリーのように業種・目的・配色などで絞り込めるものなら、「自社と同じ業種」「自社と違う業種だが構成が近い」の両方を15分ほどで拾えます。

ギャラリーを使うときのコツは、最初から自社の業種で絞らないことです。同業ばかり見ると、業界内で横並びのサイトしか出てきません。「BtoBだが業種は違う」「サービス内容の説明が複雑」といった、自社と構造が似ているサイトを横断で探すほうが、発注時に効く参考になります。

拾ったサイトは、スクリーンショットを撮ってRFPの末尾に貼ると伝達力が上がります。URLだけだと、RFPを読む制作会社の担当者全員が実際に開くとは限りません。


提出前に必ず確認する5つのこと

提出前に必ず確認する5つのこと

書き上げたRFPを送る前に、次の5点だけ見直してください。制作会社側が「これがあると助かる/これが無いと困る」と感じるポイントです。

1. 提出期限と提案方法が書いてあるか

いつまでに、どういう形式で(PDFかプレゼンか)、誰宛に出すのかを明記します。プレゼンを求める場合は所要時間も書きます。ここが曖昧だと、提案の量も質もバラつき、比較できなくなります。

2. 選定基準を開示しているか

「価格を重視」「運用体制を重視」「デザインを重視」のどれに寄せるかを書きます。書いてあれば制作会社はそこに力を入れた提案を出します。全部書くと結局伝わらないので、優先順位をつけて3つまでにします。

3. 見積の内訳粒度を指定しているか

「一式 ◯◯万円」で出されると比較できません。RFPの側から「ディレクション費・デザイン費・実装費・CMS構築費・保守費を分けて記載してください」と指定しておきます。あわせて、支払い条件(着手金の有無など)も提案に含めるよう書いておくと、後の資金繰りの検討が楽になります。

4. 公開後の運用をどうしたいか書いてあるか

制作費だけを比較すると、公開後に維持費で差が出ます。「月次更新は自社でやりたい」「更新の依頼は月◯件程度を想定」と書いておくと、CMSの作り込み方や保守プランの提案が具体的になります。

5. 何社に声をかけているか書いてあるか

社数を伏せる発注者は多いのですが、開示したほうが良い提案が集まります。「3社に依頼しています」と書かれていれば制作会社は本気で作り込みますし、「10社です」と書かれていれば工数を抑えた提案が来る——つまり、開示することで相手の投入コストと自社が得る提案の質が釣り合うようになります。

なお、声をかける相手が制作会社かフリーランスかで、RFPで書くべき粒度も変わります。フリーランスへの依頼では体制や進行管理の記載を厚くする必要があります。


RFPを出した後に起きること

RFPを出した後に起きること

質問対応の窓口を1本にする

RFPを配布すると、各社から質問が来ます。ここで各社に個別に回答していくと、提供した情報に差が出て比較の公平性が崩れます。

実務では、質問受付期限を決め、全社からの質問をまとめて全社に回答するやり方が標準です。RFPに「質問は◯月◯日までにメールで。回答は◯月◯日に全社へ一括送付します」と書いておけば、この運用で回せます。

相見積もりの比較は要件を揃えてから

提案が出そろったら、金額だけを横並びにしないでください。同じ金額でも、含まれるページ数・CMSの有無・写真撮影の有無で中身がまったく違います。比較表を作って、抜けている項目を各社に追加見積もりで出してもらってから判断します。

比較の作法は依頼内容のまとめ方と表裏一体なので、そちらの記事も参考になります。

補助金を使う予定があるなら順番に注意

補助金でリニューアル費用をまかなう計画がある場合、RFP作成と発注のタイミングに制約が出ます。交付決定より前に発注してしまうと対象外になる制度があるためで、これはRFPを書き始める段階で確認しておくべき項目です。


よくある質問

よくある質問

RFPは何ページくらいが適切ですか

A4で5〜10ページが目安です。長さより、予算・期日・課題・窓口の4つが明記されているかが重要で、これが揃っていれば3ページでも十分に機能します。逆に20ページあっても予算の記載がなければ、制作会社は比較可能な提案を出せません。

予算を書くと高い見積もりが来ませんか

予算内で組める最大の提案が来るという意味ではその通りですが、予算を伏せると各社バラバラの規模で提案が来て比較できなくなります。上限額を明記したうえで「この範囲で優先順位をつけた提案をください」と書くのが、実務的に最も機能する書き方です。

RFPなしで見積もりを取ってはいけませんか

金額の目安を知るだけなら口頭やメールでも取れます。ただし要件が揃っていない見積もりは各社で前提が異なるため、比較には使えません。本格的に選定する段階ではRFPを用意したほうが、結果的に自社の手間も減ります。

参考サイトが1つも思いつかない場合はどうすればいいですか

Webデザインギャラリーで、自社と同じ業種ではなく「説明したい内容の構造が近いサイト」を探すと見つかりやすくなります。それでも難しければ、「避けたい方向(文字が小さい、動きが多い等)」だけを書くのでも提案の精度は上がります。

RFPのテンプレートはそのまま使っていいですか

項目立ての枠組みとして使うのは問題ありません。ただし自社に関係のない項目を空欄のまま残すと、制作会社が確認に時間を使います。不要な項目は削除し、分からない項目は「未定」と理由を添えて書くのが実務的です。


まとめ

RFP作成でつまずく原因は、書き方を知らないことではなく、書く前に決めるべきことが決まっていないことにあります。

  • RFP作成は文書作成ではなく社内調整。書く時間は全体の3割
  • 必須は予算・期日・窓口・解決したい課題の4つ。他は空欄でもよい
  • 1日1〜2時間×5営業日に分けると着手しやすい
  • 参考サイト欄に30分かけると、後工程の数週間の手戻りを防げる
  • 提出前に提出方法・選定基準・見積の内訳粒度・運用方針・声かけ社数の5点を確認する

参考サイトの収集は、ギャラリーを使えば15〜30分で済みます。ここを飛ばさないことが、提案の質を上げる一番安い投資です。

自社の状況でRFPに何を書けばいいか判断がつかない場合は、現状のサイトと課題をお聞かせいただければ、書くべき項目と優先順位を整理してお伝えします。