コラム

AIでデザインは生成できるか|実務で使えるかの現在地

この記事の対象: AIの導入を検討している制作者と、AI活用を制作会社に期待している発注者
読了時間: 約12分

「AIでデザインが作れる時代になった」という話を、この1年で何度聞いたでしょうか。制作会社の中にいると、この言葉が指しているものが、話す人によってまったく違うことに気づきます。

ある人は「プロンプトを打てばWebサイトが1枚出てくる」ことを指しています。ある人は「配色の候補が10個出る」ことを指しています。また別の人は「コーディングが自動化される」ことを指しています。どれも間違いではないのですが、AI デザイン 生成 が実務で使えるかどうかは、この3つでまったく違います。

この記事では、Web制作の工程を細かく分解したうえで、「AIがそのまま使える場面」「たたき台としてなら価値がある場面」「結局人が引き直す場面」を分けて書きます。制作会社の内側で実際に起きていることを、誇張も過小評価もせずに整理するのが目的です。


「デザインを作る」という言葉が指すもの

「デザインを作る」という言葉が指すもの

議論が噛み合わない最大の原因は、「デザイン」という言葉の粒度です。

Webデザインの実務は、ざっくり言えば次の工程で進みます。

Webサイトができるまでの主要工程
要件の整理誰に何を伝え、何をさせたいか決める
構成設計ページ構成と情報の並び順を決める
ビジュアル設計配色・書体・余白のルールを決める
画面デザイン各ページを実際に描き起こす
実装と調整コードにして、実機で詰める

一般に「AIでデザインが作れる」と言われるとき、想定されているのは4番目の「画面デザイン」だけであることがほとんどです。ところが制作の難所は、実際には1番目と2番目に集中しています。

この非対称を押さえておかないと、「AIを使えば安くなるはずだ」という話と「いや、そこは変わらない」という話が永遠にすれ違います。

工程ごとの実感値

制作会社の内側で、現時点でどのくらい使えているかを工程ごとに整理すると、こうなります。あくまで自社で回している案件での実感であって、業界全体の統計ではありません。

工程 AIの現在地 人がやり直す度合い
要件の整理 ヒアリング項目の洗い出しには使える。決めるのは無理 ほぼ全部
構成設計 一般的な型は出る。その会社固有の事情は反映されない 骨格は残り、中身は入れ替え
ビジュアル設計 配色・書体の候補出しは速い。選ぶ基準は人が持つ 選定と根拠づけは人
画面デザイン ラフの量産は圧倒的に速い。詰めは効かない 大半を引き直す
実装 定型的なコードは速い。既存への接続は詰まる 差分による
文章 下書きは出る。固有名詞と数字は信用できない 全部当たり直す

この表で一番言いたいのは、右の列です。「使える/使えない」の二択ではなく、「どれだけ引き直すか」のグラデーションになっている。そして引き直しのコストが、生成の速さを上回る工程が確実にあります。

「生成できる」と「使える」は別の線

もうひとつ整理しておきたいのが、「生成できるか」と「実務で使えるか」がまったく別の問いだということです。

生成できるかは、出力が出てくるかどうかの話です。使えるかは、その出力を次の工程に渡したとき、渡された側の仕事が減るかどうかの話です。この2つは一致しません。

たとえば画面デザインは、生成できます。ただし渡された実装者が「これをそのまま組めばいい」と判断できるかというと、余白の根拠もレスポンシブ時の優先順位も書かれていないので、結局は設計をやり直すことになります。生成物は増えたのに、渡された側の仕事は減っていない。

逆に、ヒアリング項目の洗い出しは、出力そのものは平凡です。それでも打ち合わせの準備時間は確実に減ります。出力の質は低いのに、渡された側の仕事は減っている。

この記事で「使える」と書いているのは、後者の意味です。きれいなものが出てくるかではなく、下流の仕事が減るか。この基準で見ると、評価がかなり変わります。


実際に効いている場面

実際に効いている場面

否定から入る記事にしたくないので、先に「これは明確に効いている」という部分から書きます。

ラフ段階のスピード

一番わかりやすく変わったのは、社内で方向性を詰める段階です。

以前は、デザイナーが「たとえばこういう方向」を人に見せられる形にするまでに、それなりの時間がかかっていました。手を動かす前に方向を捨てる判断ができないので、いきおい「最初から1案を作り込んで持っていく」になります。これが、方向がズレていたときの手戻りを大きくしていました。

いまは、粗いものでよければ、方向違いのラフを短時間で複数並べられます。ここで効いているのは品質ではなく、捨てられる速さです。

ラフ段階の進め方の変化

AIを挟んだ進め方

  • 方向違いを複数並べる
  • 早い段階で捨てる判断ができる
  • 作り込むのは決まった1本だけ

従来の進め方

  • 1案を作り込んで提示
  • 方向が違うと丸ごと手戻り
  • 捨てる判断が遅れる

図で示したかったのは「速く作れる」ではなく「速く捨てられる」ことです。制作の総コストは、作った量ではなく捨てた量で決まる場面が多くあります。

具体的にどう変わるか、社内での使い方を書きます。トップページの方向性を決めるとき、以前は「余白を大きく取った静かな方向」を1案だけ作り込んで見せていました。いまは同じ時間で、「静かな方向」「写真を大きく見せる方向」「情報量を優先して詰める方向」の3つを粗いまま並べます。並べると、クライアントは「この右のやつは違う」と即座に言えます。1案だけ見せると「悪くないですね」で終わってしまい、違和感が言葉になるのは作り込んだ後になります。

捨てられる速さとは、つまり「違う」と言ってもらえる速さのことです。

言語化の補助

もうひとつ、意外と効いているのが「なぜこのデザインなのか」を言葉にするときの補助です。

デザイナーは、判断そのものは正しくても、その理由を言語化するのが苦手なことがあります。「なんとなくこっちのほうが締まる」は、社内では通っても、クライアントには通りません。AIに叩き台を出させて、それを直していくほうが、白紙から書くより速く、しかも精度が上がることがあります。

ただしこれは「AIが考えた理由」をそのまま出す、という意味ではありません。出てきた文章は一般論として無難すぎるので、その案件固有の事情に引き寄せる作業が必ず要ります。この工程を省くと、どの案件にも当てはまる、つまりどの案件にも刺さらない説明書きができあがります。

たとえば「余白を広く取ることで、上質さと信頼感を演出します」という説明は、AIが必ず出してくる型です。そのままでは、どの会社の提案書に貼っても成立してしまいます。これを「御社の商材は1件あたりの単価が高く、検討期間も長い。だから情報を詰め込んで即決を促すより、1画面あたりの情報を絞って、読み進める負担を下げるほうが合っている」と書き直せば、その会社の話になります。

直す方向は決まっていて、「一般に正しいこと」を「この会社について正しいこと」に置き換える作業です。AIが出すのは前者までで、後者は必ず人が書きます。

定型的な実装

CMSのテンプレートやブロックの雛形など、パターンが決まっている実装は、以前より明確に速くなりました。ゼロから書く部分が減り、既存の設計に合わせて直す部分が主になっています。

WordPressのブロックパターンのように、「構造は決まっていて、中身だけ入れ替える」タイプのものは相性がよい領域です。逆に、既存サイトの独自設計に合わせる部分は、生成では埋まりません。この住み分けは、下の記事で扱っているブロックパターンの設計と同じ考え方で整理できます。

ただしこれも、「既存のプロジェクトにどう接続するか」の判断は人が持っています。既存のCSS設計を読まずに生成されたコードを足すと、命名が衝突したり、同じ役割のスタイルが二重に定義されたりします。後から効いてくるコストなので、生成時点では気づきません。


結局、人が引き直す場面

ここからが本題です。「AIで作れる」という話が、実務でどこで止まるのか。

その会社にしか当てはまらない条件

制作で一番時間がかかるのは、絵を描く作業ではなく、その会社の事情を構造に落とす作業です。

たとえば採用サイトなら、「応募数を増やしたい」と言われても、実際に必要なのは応募数ではなく「辞退率を下げること」だったりします。この見極めは、採用担当者の口ぶりや、面接の現場で起きていることを聞かないと出てきません。

この違いは、作るものに直接跳ね返ります。応募数を増やすなら、入口を広くして応募フォームまでの距離を短くする設計になります。辞退率を下げるなら、応募前に「入社後に何が起きるか」を先に見せて、合わないと思った人には応募させない設計になります。前者は情報を絞り、後者は情報を増やす。方向が逆です。一般論としての「採用サイトの構成」からは、この分岐は出てきません。

BtoBのサイトなら、「問い合わせを増やしたい」の裏に「既存客からの見積依頼が電話で来るのをやめさせたい」という別の課題が隠れていることがあります。この2つでは、設計するものがまったく違います。新規を増やすなら実績や強みを前に出しますが、既存客の動線を電話からWebへ移すなら、必要なのはトップページではなく「既存のお客さま向け」の入口と、電話より早いと感じさせるフォームの設計です。

AIが出す構成案は、「採用サイトの一般的な構成」としては正しい。ただし、その正しさは平均値の正しさであって、目の前の会社の正しさではありません。そして発注する側にとって価値があるのは、ほぼ常に後者です。

「あと一歩」の詰め

ビジュアルの詰めの部分は、いまのところ一番はっきり人の手が残っています。

具体的には次のようなところです。

  • 見出しと本文のジャンプ率を、その書体・その文字数で成立させる
  • 日本語の折り返し位置を、実際の原稿で見て調整する
  • 要素間の余白を、意味のまとまりが伝わる階層に揃える
  • 写真の切り抜き位置を、視線の流れに合わせて決める
  • 実機の狭い画面幅で、崩れずに縮むかを見る

いずれも、静止画のモックを見ている限りは問題なく見えます。実際の原稿を流し込み、実機で開いた瞬間に破綻するタイプの問題です。

よくあるのは、モックでは2行に収まっていた見出しが、本番の原稿では4行になり、その下の要素との余白が詰まって階層が壊れるパターンです。生成時点のダミーテキストは、たいてい収まりのよい長さになっています。実際の会社名や商品名は、それより長いことも短いこともあります。長い社名が入った瞬間にナビゲーションが折り返す、という形で出てくることもあります。

もうひとつ多いのが、日本語の禁則です。見出しの途中で「、」が行頭に来る、英数字が意図しない位置で切れる、といった問題は、実際の文字を流して初めて見えます。ここを直すのは分単位の作業ですが、直さないと「なんとなく素人っぽい」という印象だけが残ります。

生成されたデザインは、この「詰め」の直前の状態で止まっていることがほとんどです。一見すると完成しているように見えるのが厄介で、経験が浅いと「もうできている」と判断してしまいます。実際には、ここから先が制作時間の大半を占めます。

固有名詞と数字

文章生成については、もっとはっきり線が引けます。

会社名・人名・製品名・金額・年数・実績の数字。この6つは、生成された文章の中では信用できません。もっともらしい形で、事実と違うものが混ざります。しかも文章としては自然なので、読み返しても気づきにくい。

特に危ないのは、業界の統計値や市場規模のように「それらしい数字」が出てくる場面です。出典が実在しない、あるいは出典は実在するが数字が違う、という形で混ざります。クライアントのサイトに載せる文章にこれが紛れ込むと、責任を負うのは制作会社ではなくクライアントです。

制作会社の内側では、この確認作業は「AIを使ったから発生した工程」として、以前はなかった時間になっています。原稿を書く時間は減りましたが、原稿を疑う時間が増えました。差し引きでどうかは、案件によります。実績数や導入社数のように、クライアントに確認しないと確定しない数字が多い原稿ほど、差し引きは悪くなります。


発注する側が知っておくとよいこと

発注する側が知っておくとよいこと

ここからは、制作会社に依頼する側の視点で書きます。

「AIを使っているから安くなるはず」は、半分当たっている

正直に書くと、工程によっては確かに時間が減っています。ですから「まったく変わらない」と言うのは誠実ではありません。

ただ、減っているのは主に「作る時間」であって、「決める時間」ではありません。そして見積の大きな部分を占めるのは、打ち合わせ・ヒアリング・設計・確認のやりとりといった、決める側の時間です。

制作費に含まれるものの大まかな分け方

決める時間(AIでほぼ減らない)

  • ヒアリングと要件整理
  • 構成の設計と合意
  • 修正のやりとりと判断
  • 公開前の確認と責任

作る時間(一部減っている)

  • ラフの量産
  • 定型的な実装
  • 下書きの文章

上の枠が減らない限り、総額は劇的には下がりません。逆に言えば、「AIで作るので格安です」という提案があった場合、上の枠をどう扱っているのかを確認する価値があります。

見積金額そのものより、見積の内訳に「ヒアリング」「設計」「修正対応」の行があるかどうかのほうが、判断材料としては確実です。行が無い、あるいは「デザイン一式」に丸めてある場合、そこは省かれているか、後から追加費用になるかのどちらかです。

確認しておくと安全なこと

AI活用を掲げる制作会社に依頼する場合、契約前に聞いておくとよいのは次の点です。

確認項目 なぜ聞くか
生成物の権利関係をどう扱っているか 納品物の利用範囲に関わる
入力した情報の取り扱い 未公開の情報を渡す場合に効く
生成部分と人が作った部分の区別 修正時の対応範囲の目安になる
素材(写真・イラスト)の出どころ 差し替えが必要になった時に効く
公開後の修正を誰がやるか 生成コードは他者が読みにくいことがある
原稿の事実確認を誰がやるか 数字や固有名詞の責任分界になる

最後から2番目の項目は見落とされがちです。生成されたコードは、書式は整っていても、そのプロジェクト固有の設計思想が入っていないことがあります。別の会社に引き継ぐ際に読み解きづらい、という形で後から出てきます。

最後の項目も、契約前に決めておく価値があります。AIが書いた下書きに含まれる数字を誰が確認するのか。制作会社が確認するのか、クライアントが確認するのか。ここを曖昧にしたまま進むと、公開後に誤りが見つかったときの責任の所在が決まっていません。

「たたき台で十分」な場面もある

すべての案件にフルセットの設計が必要なわけではありません。

  • 社内向けの資料ページ
  • 期間限定のイベント告知
  • 効果を検証するための実験的なページ

こうしたものは、作り込むより早く出すほうが価値があります。ここでAIを使ったたたき台をそのまま公開する判断は、十分に合理的です。

線引きの目安は、「そのページを見た人が、会社の評価を決めるか」です。決めるなら詰める。決めないなら早く出す。イベント告知は情報が正しく伝われば十分で、そこで会社の質を判断されることは少ない。一方でコーポレートサイトのトップページは、取引を検討している人が最初に見る場所です。

もうひとつの目安は、公開期間です。1週間で消えるページと、3年間残るページでは、詰めに使ってよい時間がまったく違います。3年残るものは、途中で何度も更新されます。更新しやすい構造になっているかどうかが、初期の見た目より効いてきます。

問題は、「たたき台で十分なもの」と「そうでないもの」の線引きが、発注側からは見えにくいことです。会社の顔になるコーポレートサイトと、1週間で終わるキャンペーンページを、同じ基準で考えると事故ります。


制作者側が、いま変えたほうがいいこと

作り手の側にも書いておきます。

「作れること」の価値が下がった部分がある

言いにくいことですが、これは事実だと思っています。

きれいな画面を1枚作れる、という能力の希少性は、以前より確実に下がりました。一方で、次の3つの価値は、むしろ上がっています。

  1. なぜそうしたのかを説明できること — 生成物には理由がないので、理由を持っている側が強い
  2. 成果と結びつけて考えられること — 見た目の良し悪しではなく、何が起きるかで判断できる
  3. 決めきれること — 候補が無限に出せる時代に、1本に絞る責任を取れる

3つとも、生成では代替できません。というより、生成が速くなるほど価値が上がる性質のものです。候補が10個出るなら、10個から1個を選ぶ根拠が必要になるからです。

3つ目は特に効いてきます。候補を出すコストがほぼゼロになると、「もう少し案を見たい」と言われたときに断りにくくなります。以前は物理的に時間がかかるので、そこで自然に止まっていました。いまは止まらないので、意図的に止める必要があります。「この方向で進めます、理由はこれです」と言えるかどうかが、進行そのものの速さを決めます。

ワークフローに組み込むときの注意

社内でAIを使う場合、一番危ないのは「生成物をそのまま次の工程に渡す」ことです。

生成されたものは、一見すると完成しているように見えます。ラフとして出したはずのものが、いつのまにか実装指示になり、そのまま公開される、という流れが起きやすい。

  • 生成物には「ラフ」「未確認」のラベルを必ず付ける
  • 文章の固有名詞と数字は、渡す前に確認する工程を挟む
  • 実装に使う前に、既存の設計と照らす人を通す

この3つを工程として決めておかないと、速くなったぶんがそのまま品質低下に化けます。速さは、止める仕組みとセットでしか使えません。

既存のテーマやテンプレートに手を入れる場合は、この「既存の設計と照らす」工程がさらに重要になります。生成されたコードは、その場では動いても、本体のアップデートで壊れる書き方をしていることがあります。どこを触ってよくて、どこを触ると将来困るかの線引きは、人が持っておく必要があります。


よくある質問

AIで生成したデザインをそのまま公開しても問題ないですか

用途によります。社内資料や短期のイベント告知など、作り込みよりスピードが重要なものは、そのまま出す判断が合理的な場面があります。一方でコーポレートサイトや採用サイトなど、会社の評価に直結するものは、実際の原稿を流し込んだ状態での確認と調整が必要です。静止画では問題なく見えても、実機で崩れることがよくあります。判断の目安は「そのページで会社の評価が決まるか」と「どのくらいの期間残るか」の2つです。

AI デザイン 生成を使えば制作費は安くなりますか

工程によっては時間が減っているため、まったく変わらないとは言えません。ただし減っているのは主に「作る時間」で、ヒアリング・設計・修正のやりとりといった「決める時間」はほとんど変わりません。見積の大きな部分は後者なので、総額が劇的に下がるとは考えないほうが実態に近いです。見積書に「ヒアリング」「設計」「修正対応」の行があるかどうかを見ると、そこを省いているかが判断できます。

制作会社にAIを使っているか聞いてもいいですか

聞いて問題ありません。むしろ、生成物の権利関係、入力した情報の取り扱い、公開後の修正を誰がやるかの3点は、契約前に確認しておく価値があります。答えにくそうにする会社より、どの工程でどう使っているかを説明できる会社のほうが、進行中のトラブルが少ない傾向があります。

デザイナーの仕事はなくなりますか

なくなる部分と、価値が上がる部分に分かれています。きれいな画面を1枚作る能力の希少性は下がりました。一方で「なぜそうしたのかを説明できる」「成果と結びつけて判断できる」「候補が多い中で1本に決めきる」という部分は、生成が速くなるほど必要になります。候補を出すコストが下がるほど、1本に絞る役割の重みが増します。

AIが生成したコードを後から別の会社が修正できますか

書式は整っているので読めますが、そのプロジェクト固有の設計思想が入っていないことがあり、引き継ぎづらい場合があります。CSSの命名が統一されていない、同じ役割のスタイルが複数箇所に散っている、といった形で表れます。将来の引き継ぎを考えるなら、設計ルールを人が管理しているかを確認しておくと安全です。

生成された原稿の数字は誰が確認すべきですか

契約時に決めておくのが安全です。実績数・導入社数・受賞歴・創業年といった数字は、制作会社だけでは確定できません。生成された文章にはもっともらしい数字が自然に混ざるため、クライアント側が一次情報と突き合わせる工程を、スケジュールに組み込んでおく必要があります。ここを曖昧にしたまま公開すると、誤りが見つかったときの責任の所在が決まっていない状態になります。


まとめ

現時点の線引きを、ひとことで言うならこうです。

AIは「たたき台を出す速度」を大きく変えた。「何を作るべきか決める部分」は変えていない。

そして制作の難所は、後者に集中しています。だから「AI デザイン 生成 は実務で使えるか」という問いには、「画面は出る。設計は出ない」と答えるのが一番正確だと思っています。

この線は、これから動いていくはずです。ただ、動くのは「どこまで作れるか」の線であって、「誰が決めるか」の線ではありません。決める役割が人に残る限り、制作の依頼というのは、作業を買う行為ではなく、判断を買う行為であり続けます。

発注を検討している方は、「AIを使っているか」より「どの工程を誰が判断しているか」を聞いてみてください。そこに答えられるかどうかが、いまのところ一番わかりやすい違いになっています。