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RFPでサイト制作を発注する進め方|作るべき案件の見分け方【2026年】

この記事の対象: サイトリニューアルや新規制作でRFP(提案依頼書)を作るか迷っている発注担当者
読了時間: 約12分

「RFPを作ったほうがいいと言われたが、本当に必要なのか」「どこまで書けば制作会社は動いてくれるのか」。サイト制作の発注準備で最初にぶつかるのが、この判断です。

RFPは万能ではありません。作るべき案件と、作ると逆に遠回りになる案件があります。そして、作ると決めたあとも「配る順番」「質疑の回し方」「提案を比べる基準」を先に決めておかないと、集まった提案がバラバラで比較にならない状態になります。

この記事は、RFPの書き方そのものではなく、RFPを軸にサイト制作を発注する進め方を扱います。作る/作らないの判断、配布から発注までのスケジュール、提案を横並びにするための仕込み、そして制作会社側がRFPのどこを見ているのか。制作会社のディレクターとして受け取る側に立ってきた経験から、ふだん発注側には共有されない部分まで書きます。

項目ごとの書き方や例文テンプレートが必要な場合は、こちらに分けてあります。


そもそもRFPを作るべき案件か、まず切り分ける

そもそもRFPを作るべき案件か、まず切り分ける

RFPは提案の質を上げるための道具であって、儀式ではありません。作る手間は決して軽くなく、社内の合意形成まで含めると2週間から1か月かかることもあります。その投資に見合う案件かどうかを、先に判定してください。

判定は「比較対象の数」と「決裁の距離」で決まる

RFPが効くのは、次の2つが同時に成り立つときです。

  1. 複数社に同じ条件で提案させたい(1社随意なら不要)
  2. 決裁者が現場から離れている(社長決裁・情報システム部門・親会社の承認などが挟まる)

逆に言えば、片方しか当てはまらない案件は、RFPよりも軽い「依頼内容メモ」で足ります。

RFPを作るべきかの判定

RFPを作る

  • 3社以上に声をかける
  • 決裁者が要件を直接見ない
  • 社内に複数部門の要望がある
  • ページ数・機能が数十単位
  • 公募・入札の形式が必要

依頼メモで足りる

  • 1〜2社に絞っている
  • 担当者がそのまま決裁できる
  • 要望の出所が1部署
  • 10ページ前後の小規模
  • 既存取引先への追加発注

右側に当てはまる案件でRFPを作り込むと、要件が固まりきる前に文書だけが立派になり、提案が来てから「やっぱりこうしたい」が噴出します。この場合は、要件を1〜2枚にまとめて渡し、打ち合わせで詰めるほうが速いです。

依頼メモで足りる規模なら、こちらの比較テンプレートのほうが実務に合います。

「RFPが無いと提案してもらえない」は誤解

発注側が心配しがちなのがここですが、制作会社はRFPが無くても提案します。むしろRFPが無い案件のほうが多数派です。

ただし、RFPが無い場合の提案には次の傾向が出やすくなります。

RFPあり RFPなし
提案の粒度 要件に沿って揃いやすい 会社ごとにバラつきやすい
見積の前提 共通条件で比較しやすい 前提が各社異なり比較しにくい
提案までの期間 やや長め やや短め
ヒアリング回数 少なめ 多め
後工程の追加費用 起きにくい 起きやすい

ここで見るべきは最後の行です。RFPの本当の価値は「比較しやすさ」よりも、後から追加費用が発生する余地を先に潰せることにあります。要件の空白は、契約後に必ず「それは別途お見積りです」という形で戻ってきます。


RFPを軸にした発注スケジュールの組み方

RFPを軸にした発注スケジュールの組み方

RFPを作ると決めたら、次は日程です。ここを決めずに書き始めると、書き上がったころには社内の公開希望日に間に合わなくなります。

標準的な所要期間

RFP配布から発注までの標準工程
RFP作成社内要望の集約と合意に数週間
配布・質疑配布後1週間程度を質疑期間に充てる
提案作成各社に2〜4週間を渡す
提案会・審査プレゼンと社内評価で1〜2週間
内定・契約条件調整と稟議で2〜3週間

図のとおり、RFPを書き始めてから契約書を交わすまでで、短く見ても2か月、余裕を見れば3か月ほどかかります。ここに制作期間が乗ります。公開日が決まっている案件では、この逆算を最初にやってください。

制作期間そのものの目安と、どこが縮められてどこが縮められないかは別記事にまとめています。

提案期間を2週間より短くしない

発注側がやりがちな失敗が、提案期限を「2週間後」より短く切ることです。

制作会社の中で提案が組み上がるまでには、営業・ディレクター・デザイナー・エンジニアの複数人が関わります。提案期限が極端に短いと、実質的にディレクター1人が過去の提案書を流用して書くことになり、その案件のために考えた部分がほぼ入りません。

提案期限が短いと、提案書の中身は次のように変わりやすくなります。

  • 競合調査・現状分析のページが定型文になる
  • サイト構成案が「よくある構成」のまま出てくる
  • デザイン案が付かない、または他案件の流用になる
  • 見積が安全側に厚く積まれる(不確実性を金額で吸収するため)

最後の1点は見落とされがちです。考える時間が足りないと、制作会社はリスク分を見積に乗せます。 提案期間を削ると、提案の質が下がったうえに金額が上がる、という両方を失う結果になりがちです。

補助金を使う場合は順番が変わる

補助金の採択を前提にする案件では、スケジュールの組み方が根本的に変わります。交付決定の前に発注・契約してしまうと対象外になる制度が多いためです。RFPの配布時点で「補助金の採択後に契約する」と明記しておかないと、内定した会社を数か月待たせることになります。


何社に配るか、どう選ぶか

何社に配るか、どう選ぶか

RFPは配った社数だけ、読んで比較する工数が増えます。多ければ良いというものではありません。

3〜5社が実務的な上限

提案会を開いて評価表を付けるところまで含めると、1社あたりの検討にはまとまった時間がかかります。社内の評価者が複数いれば、その人数倍の工数になります。

配布社数 提案会の負荷感 比較の実感
2社 軽い 比較軸が立たず「どちらが良さそうか」で決まる
3〜4社 中程度 提案の幅が見え、相場感もつかめる
5社 やや重い 差が見えるが評価疲れが出る
6社以上 重い 印象の強い1社に引っ張られる

制作会社側の事情も書いておきます。「何社にお声がけですか」は、ほぼ必ず聞かれます。 ここで社数が多いと答えると、提案にかける工数を落とす判断をする会社が出ます。無償提案である以上、受注確率で投下工数を決めるのは当然の経営判断です。

社数は正直に答えてよいのですが、その数は3〜5に収めておくのが、結果として良い提案を集める近道になります。

声をかける会社のタイプを散らす

同じタイプの会社を5社集めても、出てくる提案はほぼ同じになります。比較の意味を出すには、性格の違う会社を混ぜてください。

  • 総合制作会社:戦略設計から運用まで一括。体制は厚いが単価も上がりやすい
  • デザイン寄りの制作会社:見た目とブランディングに強い。システム面は外注が入ることがある
  • システム寄りの開発会社:CMS・会員機能・基幹連携に強い。デザイン提案は控えめ
  • 地域の制作会社:対面での打ち合わせがしやすく、運用フェーズの反応が速い
  • フリーランス/少人数チーム:費用を抑えられることが多いが、体制リスクの確認が要る

最後のタイプについては、費用以外の判断軸をこちらで整理しています。

候補を集めるときは「作風」から逆引きする

制作会社を探すとき、多くの発注担当者は会社名で検索します。ただ、会社名から入ると各社のトップページで似たような実績が並び、違いが見えません。

実務的に速いのは、先に「こういうサイトが作りたい」という参考サイトを5本ほど選び、そこから制作会社を逆引きする方法です。Soreiine!!のギャラリーは業種・テイスト・色・レイアウトで絞り込めるので、社内で「この雰囲気」を合意するところまで、そのまま使えます。

参考サイトを選ぶときのコツは3つです。

  1. 自社と同業種のサイトばかり見ない。同業のサイトは似た構成になりがちで、差別化の材料が出てこない
  2. 「良い」と思った理由を1行で言語化する。「余白が広い」「写真が大きい」「文字が読みやすい」程度でよい
  3. 選んだ5本のうち、逆に「これは違う」という反例も2本添える。制作会社にとっては、NGの共有のほうが精度が上がる

この5本+2本をRFPの別紙に付けるだけで、デザイン提案のブレが大きく減ります。RFPの文章でトンマナを表現しようとすると「洗練された」「信頼感のある」といった言葉に頼ることになり、各社が別々の解釈で持ってきます。画像を並べるほうが正確です。



制作会社はRFPのどこを見ているか

制作会社はRFPのどこを見ているか

ここからが、発注側にはあまり共有されない部分です。RFPを受け取った制作会社が、提案するかどうか・いくらで出すかを判断するときに見ているポイントを挙げます。

最初に見るのは「予算の書き方」

予算欄が空白のRFPを受け取ると、制作会社の中で必ず議論になります。「本気度が読めない」「相場感がない発注かもしれない」という警戒です。

発注側は「金額を書くと、その上限いっぱいで見積が来るのでは」と考えて空欄にしがちですが、実際に起きるのは逆のことが多いです。予算が書かれていないRFPは、辞退されるか、安全側に厚く積んだ見積が出てきやすくなります。

書き方は3通りあります。

書き方 例 制作会社の反応
上限を明示 「上限〇〇万円(税別)」 範囲内で最大の提案を組む。最も比較しやすい
幅で提示 「〇〇〜〇〇万円を想定」 幅の中で松竹梅を出してくる
空欄 (記載なし) 辞退が増えやすい。見積の前提が各社バラバラになりやすい

社内で金額を出せない事情がある場合でも、「同規模の他社事例と比べて妥当な範囲で」といった一文があるだけで扱いが変わります。

次に見るのは「誰が決めるか」

提案の宛先が見えないRFPは、提案の焦点が定まりません。

  • 評価するのは誰か(担当者/部長/役員/情報システム部門)
  • 提案会には誰が出席するか
  • 最終決裁はどこで下りるか
  • 決裁が下りるまでにどんな社内プロセスがあるか

ここが書かれていると、制作会社は提案書の構成を変えます。役員が見るなら投資対効果の話を前に出し、情報システム部門が見るならセキュリティと保守体制を厚くする、といった調整です。書かれていなければ、全部を薄く並べた汎用的な提案になります。

「現状の課題」が数字で書かれているか

RFPの課題欄が「問い合わせが少ない」「デザインが古い」で止まっていると、提案も「問い合わせを増やします」「今風にします」で返ってきます。

数字を入れるだけで、提案の具体性が変わります。手元で出せる範囲で構いません。

  • 月間セッション数と、そのうち検索経由の割合
  • 問い合わせフォームの月間件数
  • 主要ページの直帰率、または平均滞在時間
  • スマートフォンからのアクセス比率
  • 現サイトの公開年、最後に大きく手を入れた年

GA4が入っていれば短時間で拾える数字です。何を見ればよいか分からない場合は、まず計測の状態から確認してください。

質疑への返答速度も見られている

RFP配布後の質疑期間中、質問への回答が遅い、あるいは「追って回答します」のまま提案期限が近づく発注元は、制作会社側で「進行が重い案件」として記録されがちです。

これは受注後の工数見積に直結します。確認のたびに回答を待たされる進行が見えれば、そのぶんの管理工数が見積に乗ります。質疑への回答は、遅くとも3営業日以内、可能なら翌営業日に返す体制を作っておいてください。


提案を横並びにするための仕込み

提案を横並びにするための仕込み

RFPを配る段階で、比較のための仕込みを入れておきます。ここをやらないと、集まった提案が別々のフォーマットで届き、比較表が作れません。

見積の内訳フォーマットを指定する

これが最も効きます。RFPの中に、こういう一文を入れてください。

御見積は、以下の区分で内訳をご提示ください。区分の統合・省略があった場合は、その理由を併記してください。

指定する区分の例です。

区分 含めるもの
ディレクション費 要件定義、進行管理、打ち合わせ
設計費 サイトマップ、ワイヤーフレーム
デザイン費 トップ/下層のデザイン制作
実装費 コーディング、CMS組み込み
CMS・システム 構築、カスタマイズ
原稿・写真 ライティング、撮影、素材購入
移行・公開 データ移行、リダイレクト、公開作業
テスト・検証 表示検証、動作確認
保守・運用(月額) サーバー、更新対応、監視
別途費用となるもの 見積外の作業を明記

最後の「別途費用となるもの」を必ず入れてください。ここを書かせるだけで、契約後の「それは別途です」が大幅に減ります。

一式見積が出てきた場合は、内訳の提出を求めてよいものです。断られる場合、そこには理由があります。

格安な見積が出てきたときに、どの工程が省かれているかを見抜く方法は別記事にまとめています。

支払い条件を先に書く

支払いタイミングは、契約直前に揉めやすいポイントです。RFPの段階で自社の条件(着手金の有無、締め日、支払いサイト)を書いておくと、条件が合わない会社は最初から手を挙げません。

公開後の費用も同じ書式で出させる

制作費だけを比較すると、公開後に効いてくる月額の差が見えません。RFPには「公開後1年間および3年間の想定費用」を出させる項目を入れてください。

見るべきは次の4つです。

  • サーバー・ドメインの年額、および名義をどちらが持つか
  • CMSやプラグイン、外部サービスの月額ライセンス
  • 保守契約の範囲(どこまでが月額内で、どこからが都度請求か)
  • 更新作業の単価(1ページあたり、1時間あたりなど)

特に名義は後から効いてきます。制作会社名義で取得されると、乗り換えのたびに移管交渉が発生します。

評価表はRFP配布前に作る

提案を見てから評価軸を作ると、印象の良かった提案に合わせた軸になります。配布前に、社内で重み付きの評価表を作っておいてください。

提案評価表の構成例

提案内容(配点40)

  • 課題の理解度
  • 構成・設計の妥当性
  • デザインの方向性

体制・実績(配点30)

  • 担当者の経験
  • 同規模・同業種の実績
  • 連絡・対応の体制

費用(配点20)

  • 初期費用
  • 3年間の総額

運用(配点10)

  • 更新のしやすさ
  • 保守範囲の明確さ

費用の配点を20点程度に抑えているのは意図的です。費用を重く置きすぎると、安いが要件を満たさない提案が勝ってしまいます。配点は自社の事情で調整して構いませんが、配点を先に決めるという手順だけは変えないでください。


RFPで失敗する典型パターン

RFPで失敗する典型パターン

制作会社側で「このRFPは扱いにくい」と判断されるパターンを挙げます。自社のRFPが該当していないか、配布前に確認してください。

要望を全部並べてしまう

社内の各部署からヒアリングした要望を、優先順位を付けずに全部載せたRFPが一定数あります。これを受け取ると、制作会社は全要望を満たす前提で見積を組むため、予算を大きく超えた金額が出てきます。

優先順位は3段階で十分です。

区分 意味 割合の目安
必須(Must) これが無ければ発注しない 全体の5割以下に収める
推奨(Should) 予算内なら入れたい 3割程度
任意(Could) 将来的に検討 2割程度

必須が9割を占めるRFPは、実質的に優先順位が付いていないのと同じです。

現行サイトの情報が足りない

リニューアル案件では、現行サイトの情報が提案の精度を左右します。次の項目は必ず入れてください。

  • 現行のURLと、公開されていない管理画面があるか
  • 現在のCMS(WordPress、独自CMS、静的HTMLなど)とバージョン
  • 総ページ数(概数でよい)と、移行対象/破棄の切り分け
  • サーバーの契約先と契約形態
  • 更新を誰がやっているか(社内/制作会社/両方)

特に総ページ数は、見積が数倍動く要素です。実際のページ数が想定より大きく異なっていた、という差は制作会社にとって致命的で、契約後の追加費用の最大の発生源になります。

提案に無償のデザイン案を求めすぎる

RFPで「トップページのデザイン案を提出してください」と求めるケースは多いのですが、これは提案のハードルを大きく上げます。デザイン1案を作るのに、制作会社側ではまとまった時間が動きます。

社数が多い場合は、次のどちらかにすると提案が集まりやすくなります。

  • デザインは方向性のみ(参考サイト・ムードボード)を求める
  • 最終候補2社に絞ってから、有償でデザイン案を依頼する

後者は「コンペ料」として一定の金額を支払う形です。有償にすると提案の質が上がるうえ、その成果物の扱いも契約で明確にできます。

情報の取り扱いを決めていない

RFPには自社の内部情報が入ります。配布前に、次を決めておいてください。

  • 秘密保持契約を配布前に結ぶか、RFP内の条項で済ませるか
  • 提案書・見積書の著作権と、不採用時の扱い
  • 提案内容を他社の発注に流用しないという発注側の約束

最後の1点は発注側の義務です。A社の提案したサイト構成をB社に作らせる、という行為は業界内で確実に伝わります。次回以降、良い会社から提案が来なくなります。


ギャラリーを使ってRFPの「参考サイト」欄を埋める

ギャラリーを使ってRFPの「参考サイト」欄を埋める

RFPの中で最も社内の議論が長引くのが、デザインの方向性です。言葉で表現しようとすると合意に至らないため、実物を並べて指差しで決めるのが速いやり方です。

Soreiine!!のギャラリーは、この用途に使えます。使い方の手順です。

参考サイトをRFPに落とし込む手順
絞り込む業種・テイスト・色で候補を集める
各自が選ぶ関係者それぞれが上位3本を挙げる
重なりを見る複数人が選んだサイトを採用
理由を書く1本あたり1行で良い点を言語化
反例を足す「これは違う」を2本添える

重要なのは3ステップ目です。1人で選ぶと個人の好みになりますが、複数人の選択が重なったサイトは、社内で共有されている好みを表しています。ここを採用すると、後工程でデザインがひっくり返る事故が減ります。

理由を書くときは、次の観点で見ると言語化しやすくなります。

観点 見るところ
第一印象 ファーストビューで何が伝わるか
情報量 1画面に載る文字量が多いか少ないか
写真 実写か、イラストか、抽象画像か
色数 使われている色が何色か
動き スクロールでの変化があるか
導線 問い合わせボタンがどこにあるか

この観点で5本を見比べると、自社が求めているものが言葉になります。「余白が広く、写真が大きく、色数が3色以内」という3行が書けたら、それはRFPのデザイン要件として十分に機能します。

レイアウトの型そのものを検討する段階なら、こちらも判断材料になります。


配布から発注までのチェックリスト

配布から発注までのチェックリスト

RFPを配る前と、提案を受け取った後に確認する項目をまとめます。

配布前

  • 予算の上限または幅を記載したか
  • 決裁者と評価者を明記したか
  • 現行サイトの規模(ページ数)を概数で出したか
  • 要件をMust/Should/Couldに分けたか
  • 見積の内訳区分を指定したか
  • 「別途費用となるもの」の記載を求めたか
  • 公開後1年・3年の費用を求めたか
  • 参考サイトを5本+反例2本添えたか
  • 質疑の窓口と期限を書いたか
  • 提案期限まで2週間以上あるか
  • 評価表を作り終えたか

提案受領後

  • 各社の見積の前提条件が揃っているか
  • ページ数・機能の前提が各社で一致しているか
  • 「別途費用」の欄が埋まっているか
  • 担当予定者の名前と経験が書かれているか
  • 制作スケジュールに社内の確認期間が含まれているか
  • 保守範囲の記述が具体的か(「軽微な修正」の定義があるか)
  • 3年間の総額で並べ直したか
  • 評価表に点を入れたか(印象で決めていないか)

提案受領後の3つ目「別途費用の欄が埋まっているか」は、必ず見てください。ここが空欄で戻ってきた提案は、契約後に埋まります。


よくある質問

RFPは何ページくらいで作ればいいですか

サイト制作のRFPなら、A4で10〜20ページ程度が実務的な範囲です。中小規模のコーポレートサイトなら少なめ、CMS連携や会員機能を含む大規模案件では多めになります。それ以上に膨らむ場合は、要件の優先順位が付いていない可能性が高いので、Must/Should/Couldの整理に戻ってください。

予算を書くと、その金額いっぱいの見積が来ませんか

上限いっぱいの提案が来ること自体は問題ではありません。判断すべきは「その金額で何をやってくれるか」であり、各社が同じ上限で提案してくるからこそ内容の差が見えます。予算を伏せると、前提の違う見積が並んで比較できなくなるほうが実害が大きいです。

提案を断るとき、理由は伝えるべきですか

伝えてください。不採用の理由が一言でもあると、その会社は次回の提案で改善します。また、業界内では発注元の評判が共有されるため、丁寧に断る発注元には次も良い提案が集まります。理由は「費用が予算を超えた」「体制面で不安が残った」程度の粒度で十分です。

RFPを制作会社に作ってもらうのはありですか

要件整理だけを有償で依頼する形は成立します。ただし、その会社が本発注の候補に入る場合、自社が得意な要件に寄った内容になる点は理解しておいてください。回避するには、RFP作成を依頼した会社を本発注の対象から外すか、複数社にヒアリングしてから自社で書く形にします。

提案会に制作会社は何人来ますか

3〜5社に配布した場合、各社数名で来るのが一般的です。営業、ディレクター、デザイナーの組み合わせが多く、大規模案件ではエンジニアが加わります。ここで確認したいのは人数ではなく、その中の誰が実際に案件を担当するかです。提案会に来た人と実際の担当者が違うケースは珍しくないので、必ず質問してください。


まとめ

RFPでサイト制作を発注する進め方を整理します。

  1. 作るべき案件かを先に切り分ける。3社以上に配る、かつ決裁者が現場から離れている案件が対象。それ以外は依頼メモで足りる
  2. 契約までに2〜3か月を見る。作成に数週間、提案に2〜4週間、審査と契約に3〜5週間ほど
  3. 配布は3〜5社、タイプを散らす。社数を聞かれたら正直に答えてよいが、多すぎると提案の工数を落とされる
  4. 予算と決裁者を必ず書く。ここが空白だと辞退されるか、厚く積まれた見積が来やすい
  5. 見積の内訳区分を指定する。特に「別途費用となるもの」を書かせると、契約後の追加が減る
  6. 評価表は配布前に作る。費用の配点は2割程度に抑える
  7. 参考サイトは5本+反例2本。言葉ではなく実物で方向性を共有する

RFPは、発注側が主導権を持つための道具です。空白が多いほど、その空白は制作会社の都合で埋まります。逆に、条件が明確なRFPは、良い制作会社ほど提案しやすくなります。

書式や項目ごとの文例が必要になったら、こちらを開いてください。