この記事の対象: 生成画像をサイトに使うか迷っている制作会社・発注企業の担当者
読了時間: 約12分
「この画像、AIで作ったものなんですけど、サイトに載せて大丈夫ですか」
制作の現場で、ここ最近いちばん増えた質問です。聞かれる側も即答できません。ツールごとに規約が違い、しかもその規約が書き換わるからです。以前「商用OK」と確認して納品したサイトが、今も同じ条件で使えるとは限りません。
この記事では、断定的な「◯◯はOK、△△はNG」という一覧は出しません。そういう記事は書いた翌月に嘘になります。代わりに、規約のどこを読めば自分で判断できるかと、クライアントワークで実際に確認しておくべきこと、そしてあとから差し替えが必要になったときに何が起きるかを、制作会社の中の人の視点で書きます。
なぜ「このツールは商用OK」と覚えても意味がないのか

規約は変わる。しかも変わったことに気づけない
生成AIの利用規約は、サービスの成長段階に合わせて改定されます。無料プランの扱い、生成物の権利帰属、学習への再利用、出力の独占性——このあたりは特に動きやすい項目です。
制作者として困るのは、改定のタイミングを誰も教えてくれないことです。素材サイトなら「ライセンス変更のお知らせ」がメールで届くこともありますが、生成AIツールは規約ページが静かに書き換わるだけ、ということが起こります。
だから覚え方を変える必要があります。
続く覚え方
- 規約のどの項目を見るかを覚える
- 案件ごとに、着手時点で1回読む
- 読んだ日付とスクリーンショットを残す
すぐ古くなる覚え方
- 「Aツールは商用OK」と結論だけ覚える
- 前の案件の判断をそのまま流用する
- 誰かのまとめ記事を根拠にする
結論を覚えるのではなく、確認する場所と手順を覚える。これが唯一、陳腐化しない持ち方です。
「商用利用可」の一言では何も決まらない
規約の冒頭に「生成物は商用利用可能です」と書いてあっても、それだけで安心してはいけません。商用利用可という言葉は、次の質問のどれにも答えていないからです。
- 生成した画像の権利は誰のものか(利用許諾なのか、譲渡なのか)
- 同じような画像が他のユーザーにも出る可能性はあるか
- クライアントに再譲渡してよいか(制作会社が生成して、納品する形)
- 有料プランを解約したあとも使い続けられるか
- ロゴやパッケージなど、商標登録するものに使えるか
このうち、クライアントワークで致命的になるのは3つ目と4つ目です。あとで詳しく書きます。
規約で読むべき7項目
案件で生成画像を使うと決めたら、そのツールの利用規約とヘルプページを開いて、次の7項目だけを探します。全文を読む必要はありません。目次と検索(Ctrl+F)で足ります。
探すキーワードと、確認する中身
| # | 確認項目 | 規約内で探す語 | なぜ効くか |
|---|---|---|---|
| 1 | 権利の帰属 | ownership/rights/権利/帰属 | 「あなたのもの」なのか「使ってよい」なのかで再譲渡の可否が変わる |
| 2 | 商用利用の可否と条件 | commercial/商用 | プラン依存のことが多い。無料プランだけ条件が違うのは典型 |
| 3 | プラン解約後の扱い | cancel/subscription/解約 | 解約で権利が消える設計だと保守終了時に事故る |
| 4 | 第三者への譲渡・再許諾 | sublicense/transfer/譲渡 | 制作会社が作ってクライアントへ渡す形が成立するか |
| 5 | 出力の独占性 | exclusive/unique/独占 | 「非独占」なら他社サイトに似た絵が出てもクレームできない |
| 6 | クレジット表記の要否 | attribution/credit/表記 | 必要なのに省くと契約違反。フッター1行で済むこともある |
| 7 | 禁止用途 | prohibited/restricted/禁止 | 実在人物風・特定ブランド風・医療や金融の表現などが引っかかる |
特に見落とされる3つ
プラン解約後の扱い(#3) は本当に見落とされます。制作時に有料プランで生成し、納品後にそのプランを解約する。ありがちな流れですが、規約によっては解約と同時に商用利用の許諾が終了します。サイトは公開されたままなので、誰も気づきません。気づくのは、何年か経って誰かが指摘したときです。
ここで効くのは、「誰のアカウントで生成したか」を案件記録に残しておくことです。制作会社のアカウントで生成したなら、そのアカウントを解約する判断をする人が、どのサイトに影響するかを知っている必要があります。担当者が変わると、この情報はまず引き継がれません。
再譲渡(#4) は制作会社特有の論点です。個人が自分のブログに使う分には「あなたが商用利用できます」で足りますが、制作会社が生成してクライアントの資産として納品するには、その権利をクライアントへ渡せる必要があります。ここを規約が明示していないツールもあり、その場合は「クライアント側のアカウントで生成してもらう」という回避策を取ることになります。
回避策と書きましたが、実務ではこの形の方が安全な場面が多いです。クライアントのアカウントで生成すれば、権利の出発点がクライアント側にあるので、譲渡の可否を検討する必要そのものが消えます。手間は増えます(アカウント発行、操作説明、生成の立ち会い)が、権利の説明を後から求められたときに一言で済みます。
出力の独占性(#5) は、法的な問題というより営業上の問題です。似たプロンプトから似た画像が出るのは生成AIの構造上あたりまえで、独占性を保証しない規約が一般的です。つまり、競合他社のサイトに雰囲気のよく似たキービジュアルが出る可能性を、あらかじめ受け入れる必要があります。
この点は、クライアントに事前に伝えておくかどうかで話の重さが変わります。公開後に似た画像を見つけられて「独占だと思っていた」と言われると、こちらに落ち度がなくても信頼の問題になります。着手前に一言、「生成画像は独占ではありません」と伝えておくだけで防げます。
制作会社の現場で実際に起きていること
ここからは規約の話を離れて、実務の実感を書きます。マッチングメディアの記事には出てこない部分です。
「生成AIで作ったので安くなりますよね」という圧
いちばん増えたのがこれです。撮影費やストックフォト代が浮くなら、その分安くしてほしい。理屈としては分かります。
ただ、生成画像を使うと制作側の工数はむしろ増えます。
この4工程は、ストックフォトを買えばほとんど発生しません。素材サイトはライセンスが定型で、破綻もなく、選定も検索で済みます。
特に見積で読み違えやすいのが「生成と選定」です。イメージに近い1枚を引くまでに何度も回すことになり、プロンプトを直しては生成する時間が積み上がります。撮影のように「この日に押さえれば終わる」という区切りがないので、際限なく粘れてしまうのも厄介なところです。あらかじめ「何案まで」「何往復まで」を決めておかないと、工数が読めません。
素材の選び方そのものを整理したい場合は、こちらが下敷きになります。
つまり「AIを使うから安い」ではなく、「AIでしか作れない絵が必要だから使う」が正しい動機です。実在しない設備の完成イメージ、抽象的なコンセプトビジュアル、サービスの概念図——このあたりは生成AIが強い領域で、撮影もストックフォトも代替になりません。逆に、社員の写真や実際の店舗、扱っている商品そのものは、撮った方が早くて安くて安全です。
発注側が知っておくべき「言わないと出てこない」情報
制作会社は、聞かれなければAI利用について自分から言わないことがあります。悪意ではなく、単に説明が面倒だからです。ただ発注側からすると、これは知っておくべき情報です。
見積書や仕様書に「メインビジュアル制作」としか書かれていないとき、次の3つを聞いてください。
- 撮影・ストックフォト・生成AIのどれで作りますか
- 生成AIを使う場合、権利はこちらに渡りますか
- 使うツール名と、その規約を確認した日付を教えてください
3つ目まで聞かれて即答できる制作会社は、正直まだ多くありません。ただ、この質問をした時点で相手の対応は変わります。「確認して折り返します」と言われたら、それは健全な反応です。「大丈夫です問題ありません」と根拠なく即答されたら、そちらの方が危険です。
制作費そのものは、画像をどう用意するかで動きます。撮影を入れればカメラマンの人件費とスタジオ・機材の費用が乗り、ストックフォトなら素材費が積み上がり、生成AIならツールの利用料と上に書いた4工程の工数が乗ります。どれが安いかは点数と用途次第で、「AIだから安い」とは言えません。見積を見るときは、画像の調達方法が金額のどこに現れているかを確認してください。
見積の中身をどう分解して読むかは、費用の記事の考え方がそのまま使えます。
フリーランスに頼むときの追加論点
個人に依頼する場合、この論点はもう一段シビアになります。制作者個人のアカウント(しかも無料プランや個人向けプラン)で生成された画像が、そのまま企業サイトに載るケースがあるからです。
個人向けプランは商用利用の条件が制限されていることがあり、企業サイトへの掲載が想定外の使い方になっている可能性があります。契約書に「納品物の権利は発注者に帰属する」と書いてあっても、制作者がもともと持っていない権利は渡せません。
確認の仕方はシンプルです。「どのツールの、どのプランで生成しますか」と聞き、そのプランの規約を発注側でも一度見る。個人に丸投げして、あとから権利の話だけ契約書で回収しようとするのがいちばん危ない形です。
依頼先の選び方全体は、こちらで整理しています。
クライアントワークで残しておく記録
規約は変わる。だからこそ、判断した時点の証拠を残すことが唯一の防御になります。あとで「当時はOKだった」と説明できるかどうかで、話の重さがまったく変わります。
案件フォルダに置く4点セット
| 残すもの | 形式 | なぜ必要か |
|---|---|---|
| 規約ページのスクリーンショット | PNG(日付入り) | 改定後に「当時の条文」を証明できるのはこれだけ |
| 確認日と確認者 | テキスト1行 | 誰の判断かを後任に伝える |
| 使用ツール名とプラン名 | テキスト1行 | プランで条件が変わるので必ずセット |
| 生成に使ったプロンプト | テキスト | 差し替えが必要になったとき再生成の起点になる |
4つ目のプロンプトは軽視されがちですが、実務上いちばん効きます。数か月後に「この画像だけ差し替えたい」と言われたとき、プロンプトが残っていれば同じトーンで作り直せます。残っていなければ、雰囲気合わせを一からやり直すことになります。
置き場所も決めておいてください。デザイナーのローカルやチャットの履歴に散っていると、担当が変わった時点で無いのと同じです。案件フォルダの決まった階層に、画像ファイルと同じ場所に置く。この4点が揃っていれば、引き継いだ人が単独で状況を再構成できます。
クライアントとの合意は書面に落とす
AI生成画像を使うこと自体を、クライアントが嫌がるケースがあります。業種によっては「AIで作った写真を使っている」と知られること自体がリスクになる(人の手仕事を売りにしている企業、医療・士業など信頼が商品の業種)ためです。
これは制作側が勝手に判断してよい話ではありません。次の2点は着手前に決めて、メールでもチャットでもよいので記録に残します。
- 生成AIを画像制作に使ってよいか(全面OK/人物のみNG/全面NG)
- AI利用を明示するか(サイト上に表記するか、しないか)
「人物のみNG」という中間の答えが、実務ではいちばん多くなります。概念図やイメージカットは許容するが、人が写っているものは避けたい——という線引きです。この一段があるだけで、あとから揉める余地がかなり減ります。
表記については、業界に統一ルールがあるわけではありません。ただ、明示しておく方が後々の説明コストが下がる場面は多いです。特に、生成画像を「事例写真」「お客様の声の写真」のような、実在を示唆する文脈で使う場合は避けるか明示するかの二択で、黙って使う選択肢はありません。
差し替えが必要になったときに何が起きるか
ここが、この記事でいちばん伝えたい部分です。「使えなくなったら差し替えればいい」と軽く考えている人が多いのですが、実際にやると想像より重い作業になります。
1枚の差し替えが1枚で終わらない理由
キービジュアルを1枚差し替えるとします。実際に触ることになるのは、だいたい次の範囲です。
サイト本体
- PC用・SP用の2サイズ
- WebP等の変換版
- OGP画像
- 下層ページの流用箇所
サイト外
- SNSの過去投稿
- 広告バナー
- 印刷物・名刺・パンフ
- 営業資料・提案書
キャッシュ
- CDNキャッシュ
- SNSのOGPキャッシュ
- 検索エンジンの画像インデックス
サイト内だけなら制作会社の作業で済みますが、SNSの過去投稿や印刷済みのパンフレットは戻せません。ここが差し替えの本当のコストです。
厄介なのは、この波及範囲が制作会社の把握外に広がっていることです。クライアントが自社で作った営業資料、代理店に渡した素材、展示会のパネル——制作側は存在すら知らないまま、同じ画像が使われています。差し替えの連絡先を洗い出す作業から始まるので、着手までに時間がかかります。
差し替えコストが読めない場所ほど、生成画像を避ける
この波及範囲から逆算すると、判断基準が出てきます。
| 使いどころ | 生成画像の向き不向き | 理由 |
|---|---|---|
| ブログ記事のアイキャッチ | 向く | 差し替えても影響範囲が1記事で閉じる |
| サービス紹介の挿絵・概念図 | 向く | サイト内で完結し、再生成もしやすい |
| キービジュアル | 慎重に | 印刷物・SNS・広告へ波及する |
| ロゴ・シンボルマーク | 避ける | 商標登録の可否に規約が絡む。差し替え不能 |
| 事例・実績の写真 | 避ける | 実在を示唆する文脈で使うべきではない |
| 代表・社員の写真 | 避ける | 実在人物の代替として使う用途は原則NG |
上に行くほど気軽に使え、下に行くほど撮影やプロの制作に投資すべき領域です。この表を見て「では下の3つは撮影します」と決められれば、それだけで判断としては十分機能します。
ロゴについてもう一段補足すると、問題は規約だけではありません。商標登録の審査や、他者の既存商標との類似判断は、生成物であってもふつうに適用されます。似た絵が他社からも出力されうるという生成AIの性質は、識別のためのマークとしては相性が悪い。ここは規約がどうであれ、避けておく方が安全です。
保守契約に「画像の規約再確認」を入れておく
長く運用するサイトなら、保守の作業項目に年1回の規約再確認を入れておくと安全です。作業自体は7項目を読み直すだけで、そう時間はかかりません。
このとき、変更があった場合にどうするかまで決めておくと機能します。読み直して終わりだと、条件が変わっていても報告だけで止まります。「変更があれば影響範囲を洗い出して、差し替えの要否をクライアントに報告する」ところまでを作業項目にしておいてください。
保守で何にお金を払っているのかを整理する話は、こちらでまとめています。
画像そのものの品質チェック
規約をクリアしても、そのまま載せてよいとは限りません。制作の現場では、生成画像は「素材」ではなく「素材の候補」として扱います。
公開前に目視で見る7か所
生成AIの出力は、一見きれいでも細部が破綻していることがあります。縮小表示では気づかず、原寸で見ると分かる類のものです。
- 手と指 — 本数、関節の向き、持っているものとの接触
- 文字 — 看板・書類・パッケージの文字が意味を成しているか
- 反射と影 — 鏡・ガラス・水面に映るものが本体と一致しているか
- 左右対称のもの — 眼鏡、靴、イヤリング、椅子の脚
- 背景の人物 — 遠景の人が溶けていないか
- 線の連続性 — テーブルの縁、建物の柱、ケーブルが途中で消えていないか
- 既視感 — 特定のブランドやキャラクターに似すぎていないか
見るときは、実際に表示されるサイズと原寸の両方で確認してください。キービジュアルは大きく表示されるので破綻が見つかりやすい一方、サムネイルで使う画像は縮小時に気づかず、記事一覧だけ拡大表示される端末で露見することがあります。
最後の「既視感」だけは、目視より人に見せた方が確実です。制作に関わっていない人に1枚見せて「何かに似てない?」と聞く。これで引っかかるものは、公開すべきではありません。
表示速度への影響も見る
生成画像は解像度が高く、そのまま入れるとファイルサイズが大きくなりがちです。特にキービジュアルは表示速度に直結します。WebPへの変換、適切なサイズ指定、遅延読み込みは通常の画像と同じく必須です。
生成した元データは、圧縮前のものも残しておいてください。あとからサイズ違いが必要になったとき、圧縮済みの画像から作り直すと画質が落ちます。プロンプトと並べて、案件フォルダに置いておくのが確実です。
公開後に実際どう影響したかを見るなら、計測の準備も併せて整えておくのが順当です。
発注前・着手前に交わすチェックリスト

ここまでを、実際に使える形にまとめます。発注側は「これを聞く」、制作側は「これに答えられる状態にする」と読んでください。
発注側が制作会社に聞くこと
- 画像は撮影・ストックフォト・生成AIのどれで用意しますか
- 生成AIを使う場合、ツール名とプランは何ですか
- その規約を最後に確認したのはいつですか
- 生成画像の権利は当社に渡りますか
- あとで使えなくなった場合、差し替えの費用負担はどちらですか
最後の項目は特に重要で、契約書に書いておく価値があります。規約改定は誰の落ち度でもないので、決めておかないと揉めます。書き方としては「規約改定により使用継続が困難になった場合の対応と費用分担」を一項目立てておけば足ります。全額どちらが持つと決め切らなくても、「発生したら協議する」と書いてあるだけで、何もない状態よりはるかに話が早くなります。
制作側が着手前に決めること
- クライアントがAI利用を許容するか、書面で確認したか
- 使うツールの規約7項目を読み、スクリーンショットを残したか
- 再譲渡が規約で認められているか(不可なら生成アカウントを分ける)
- プロンプトを案件フォルダに保存したか
- 差し替え不能な用途(ロゴ・実績写真・人物)に使っていないか
この10項目が埋まれば、少なくとも「何も考えずに使った」状態からは抜けられます。逆に言えば、10項目のうち埋まっていないものが、そのままリスクの在り処です。全部を完璧にできなくても、どこが空いているかを自覚した状態で公開するのと、考えずに公開するのとでは、問題が起きたときの対応速度がまったく違います。
制作の進め方や支払いの区切りをどう設計するかは、こちらの記事の考え方と組み合わせると全体像が見えます。
よくある質問
AI生成画像をWebサイトに使うのは違法ですか
違法ではありません。ただし「使ってよいかどうか」は法律ではなく、使ったツールの利用規約とプランの条件で決まります。商用利用可と書かれていても、権利の帰属・再譲渡の可否・解約後の扱いは別項目なので、そこまで読んで判断してください。
制作会社が生成した画像を、自社の資産として使えますか
規約に再譲渡(サブライセンス)の可否が書かれているかで変わります。制作者への許諾にとどまり第三者へ渡せない設計のツールもあるため、明示されていない場合は自社アカウントで生成してもらう方法が確実です。契約書の「権利は発注者に帰属」という一文だけでは担保になりません。
規約が変わって使えなくなったら、どうなりますか
サイト内の画像を差し替えることになりますが、印刷物やSNSの過去投稿まで波及すると回収は困難です。だから最初から、差し替えコストが読める場所(ブログのアイキャッチ、サイト内の挿絵)に用途を限定し、ロゴや実績写真には使わない設計にしておくのが現実的です。
AIで作った画像だと明記する必要はありますか
法的に一律で義務づけられているわけではありません。ただし、実在の事例写真や人物写真として誤解される文脈で使う場合は、明示するか使わないかの二択です。表記するかどうかは制作側が決めず、着手前にクライアントと合意して記録に残してください。
生成AIを使えば画像制作費は安くなりますか
安くなるとは限りません。規約確認・大量生成からの選定・破綻チェック・クライアント合意という工程が新たに発生するためです。生成AIが効くのは、実在しないものの完成イメージや抽象的な概念図など、撮影もストックフォトも代替にならない領域です。
まとめ
生成画像をWebサイトに使えるかどうかは、「このツールはOK」という結論では持てません。規約が変わるからです。
持てるのは手順の方です。
- 規約の7項目を読む — 権利帰属、商用可否、解約後、再譲渡、独占性、クレジット、禁止用途
- 読んだ証拠を残す — スクリーンショット、確認日、ツール名とプラン、プロンプト
- 用途を差し替え可能な範囲に限定する — ロゴ・実績写真・人物写真には使わない
- クライアントと着手前に合意する — 使ってよいか、明示するか
- 年1回、規約を読み直す — 保守の作業項目に入れておく
この5つを回している限り、規約が変わっても「当時の判断は正しかった」と説明でき、差し替えが必要になっても被害は限定されます。逆に、どれか1つでも抜けていると、気づいたときには手の打ちようがない状態になっていることがあります。
AI画像生成は、うまく使えば表現の幅が確実に広がる道具です。ただ、道具の使い方より先に、使ったあとの責任をどう持つかを決めておく。それが、クライアントワークで生成AIを扱うということです。






